【書籍】 The Physics of Seismic Electric Signals Panayiotis A. Varotsos
【講演】 地震予知研究-過去,現在,未来 上田誠也
     地震予知研究の最前線と地震防災対策の盲点 長尾年恭

NHESS - Special Issue

 Seismic hazard evaluation, precursory phenomena and seismo electromagnetics
 Editor(s): M. Contadakis and P. F. Biagi
ISTC Annual Report 2005 (ISTC)

ISTC Project #1121- Organization of the Russian - Japanese Geophysical Observatory for Complex Studies of Electromagnetic and Seismic Precursors of Earthquakes (Funded by Japan)

* 関連:EARTHQUAKE PRESAGES - A COMPREHENSIVE APPROACH (Russian Science News)
* 参考:Method of voltage control of the Earth's crust for the prediction of strong earthquakes (Kamchatka Branch of GS RAS)

Earthquake Alarm (IEEE Spectrum, Dec 2005)

By: Tom Bleier and Friedemann Freund


Impending earthquakes have been sending us warning signals—and people are starting to listen 印刷版|反論:Earthquake Precursors or Background Noise?

* 関連:かまきりと地震予知(佐藤 敏雄)

12月27日:「GPS受信機を使った津波予報」の可能性 (HotWired)

 「津波の発生源になる地震は海面上に歪みをもたらし、大気に『衝撃』を与える。圧縮波が大気の上層に到達すると、この大気の乱れがGPS信号の送受信に微妙な変化を引き起こす」と、マクドラン氏は説明する。近くのGPS受信機から受け取った信号変化をデジタル処理すれば、間近に迫った津波を予測できるだろう。

* 関連:GPSによる地震発生時の電離層擾乱観測(笠井デザインオフィス)

12月22日:SSHプログラム奈良女子大学訪問(奈良女子大学)

 奈良女子大学情報科学科 スタッフ紹介 城和貴

12月20日:NASA's Grace Finds Greenland Melting Faster, 'Sees' Sumatra Quake (NASA)

 バイロン・タプリー博士(オースチンにあるテキサス大学のGrace実験責任者)は、スマトラ地震の重力信号の検出は、地表上及び地表中の変化を測定できるGraceの能力を示すものであると語ります。
「Graceの測定は、大地震とその影響に関する研究に地球規模の展望を与えるでしょう」

12月20日:Lomonosov Moscow State University

According to the joint resolution of Rosaviakosmos Agency and Navy of the Russian Federation the launch of the "Kompas-2" satellite is postponed to the second quarter of 2006.

12月17~18日:第22回 ESR応用計測研究会(奈良教育大学)

 特別講演「ナノ粒子のESRとナノテク地震学」 池谷元司(大阪大学名誉教授)
12月14日:Granite batteries (The Economist)

Earthquakes may cause electrical surges - which might help predict them

THE inhabitants of San Francisco would dearly like to know when the San Andreas fault that runs by their city is going to snap again. But even after almost 12,000 geophysicists met there last week for the autumn conclave of the American Geophysical Union (AGU), they were little the wiser. Most geophysicists agree that earthquakes cannot be predicted, although every large one brings tales of animals sensing trouble hours beforehand and of people seeing strange lights.

No one knows what might cause such phenomena. Indeed, so many different mechanisms have been proposed as being behind the apparent warnings of impending disaster, that seismologists tend to look upon any claim with suspicion. There is, however, one set of observations that may yet receive a scientific imprimatur. This is the suggestion - yet to be confirmed by an unambiguous statistical analysis - that space-borne instruments such as France's Demeter satellite have seen changes in the radio waves of the ionosphere that coincide with, and sometimes precede, earthquakes in the ground below.

* 関連:放射化学的手法による断層活動に伴う電磁気現象のメカニズム解明 | 地震の予測 (Science@NASA)
12月14日Sense Of Danger - How Animals Anticipate Disaster (EIKON Media)

 Sense Of Danger - How Animals Anticipate Disaster - (Electric Sky) | Sense Of Danger - How Animals Anticipate Disaster - (Gaia)


* 関連:Cracking the Code of Pre-Earthquake Signals (Space.com) | Cracking the Code of Pre-Earthquake Signals (SETI)
* 参考:Comment: Earthquake Prediction Is Worthy of Study (UNGP-IPASD)

 信頼できる筋の情報によればCompass-2の打上げは来年4月とのこと・・・
12月9日:日本の科学 ミライは―科学者・毛利衛さんと対話(朝日)

<各国は国際協力に加えて独自の政策があります。 その一方で、日本の独自政策は不明確だと感じますが。>

 私も同感です。日本は明快なメッセージを持っていないと思います。宇宙開発の長期ビジョンに色々と書いてあるから伝わらないのです。多くの人が日本の宇宙開発ビジョンがはっきりしない、と言えば、日本の政策が明快になってくるのではないでしょうか。お金もかかる宇宙開発で、何を一番大事にするのかをはっきりさせることだと思います。

・・・

12月5~9日:2005 AGU Fall Meeting

 Progress in Understanding Electromagnetic Phenomena Related to Earthquakes I
 Progress in Understanding Electromagnetic Phenomena Related to Earthquakes II Posters

12月3日:第55回検討会INS岩手山火山防災検討会

 8.16宮城県沖地震前駆電波雑音の観測について
 東北電力(株)宮城支店情報通信センター長 増田 茂

12月2日:岩盤力学の立場からGPS法を含む地震予知の可能性を探る(深田地質研究所)

講師:アイダン・オメル氏(東海大学教授)
 東海、東南海、南海地震への恐怖が高まっている。地震の前兆現象として地震雲の発生などいろいろなものが話題になっているが、地震は本来地殻の破壊現象である。本講演では、この視点から岩盤に対する室内試験や室内断層模型実験あるいは数値解析などの研究結果を紹介し、加えてGEONETによるGPSの計測結果を活用し地殻のひずみ、応力状態を求め、上記地震の予測の可能性を探る。

* 関連:Global Positioning System(GPS)を用いた地震予知の可能性(東海大学紀要)

11月30日:INDEX軌道上成果の報告会 (ISAS/JAXA)

 地球観測分野における小型衛星利用(鈴木睦)

11月24日:金森博雄先生特別講演会(東海大学地震予知研究センター)

 video [wmv 1:21:31 128MB]

 23日のRussian Space WebによるとCompass-2の打上げは延期とのこと・・・
11月22日:電磁波パルス発生源は震源域 京産大教授が確認(京都)

 地震発生時、地中に電磁波のパルス(信号)が現れ、その発生源が震源域と一致することを独自開発の観測装置で確認したと、京都産業大の筒井稔教授(電磁波計測工学)が22日発表した。信号は、地殻変動で岩盤が衝撃を受けて電流が流れる、圧電現象で発生する可能性が高いという。
 筒井教授は、京都市北区の大学構内に深さ100メートルの穴を掘り、センサーを入れて500分の1秒幅の電磁波信号を観測。地上に比べ、約5倍の強さで信号を検出できることを確認した。さらに、電磁波の波形などから信号が出ている方向や距離を算出し、画面上に表示できるシステムを開発した。
 昨年1月に起きた紀伊半島南東沖の熊野灘を震源とする地震(マグニチュード5・4)では、システムで算出した「南東の方角で130キロの距離」という信号発生源が、実際の震源と一致した。調査はまだこの1回だけだが、信号は地震発生の2日前から観測できたという。
 電磁波は地震波より早く到達するのが特徴。地震計のように複数の観測網を設ければ、震源地を短時間で高精度に特定できそうだという。筒井教授は「従来の地震波研究と組み合わせることで、地震発生予測の新たな可能性が広がる」と話す。

* 関連:地中起源電磁波パルス到来方位探知装置および発生位置特定システム (J-STORE)

11月22日:SEMS会員各位[sems_jp:00001]

 SEMSメーリングリストはこれまで東海大学のサーバを利用して維持してまいりました。2002年にSEMSの国際版とも言えるEMSEV(Electromagnetic Studies of Earthquakes and Volcanoes)がIUGG(国際測地学・地球物理学連合)がIAGA(国際地球電磁気学超高層物理協会)、IASPEI(国際地震学・地球内部物理学協会)、IAVCEI(国際火山学・地球内部化学協会)のInter Association Working Groupとして設立され、初代委員長に上田誠也東海大学教授が就任し、事務局長に長尾年恭が指名されました。

 SEMSはある意味このEMSEVの日本における活動の一端と位置づけられると思います。今回、このEMSEVで独自のドメインを取得いたしました。今後最低5年間東海大学がボランティアとしてこのドメインを維持いたします。
 このような事からsemsメーリングリストをこのドメインのもと、リニューアルすることと致しました。
11月18日:Can Earth's seismic radio help predict quakes? (Newscientist)

* 関連:Tsutsui, Identification of earthquake epicenter from measurements of electromagnetic pulses in the Earth (GRL)

11月14日:「動物の地震予報」絵本で紹介(神戸)

 地震の前兆現象を研究する大阪大学名誉教授の池谷元伺さん(65)=大阪府池田市=が、地震前に見られる動物の異常行動などを分かりやすく説明した絵本「動物の地震予報 みんなどうしたの?」を自費出版した。前兆を示す言い伝えについて、分かりやすい解説も添えており、親子で地震の科学が学べる。池谷さんは「家族で防災について話し合うきっかけになり、少しでも地震の被害を減らすことにつながれば」と話している。

* 関連:地球科学のESR年代測定と地震前兆の電磁気地震学、池谷元伺 Motoji Ikeya

11月12、19、26日(土):南関東の地殻変動と防災・減災 ~地震・火山・地滑りへの備えと予測~(千葉大公開講座)
 受講料無料・先着100人まで

11月9日:5年後には地震予知ができるかもしれない(光華日報)

 翻訳はこちら

* 服部克巳博士は、平成17年度日本大気電気学会学術研究賞を受賞しました!
11月3~4日:EMSEV 2005 Workshop in Mexico

 この辺らしい

* 関連:NASA: the forecast of earthquakes can be carried out in practice (Novosti)
    米国の専門家は探し当てて地震の方法を予測する (Yahoo.com.cn)

11月3日:宇宙航空研究開発機構 宇宙科学研究本部 高野研究室 (ISAS/JAXA)

地震に関連する電磁現象の解明
実験室での岩石の静圧破壊実験でマイクロ波放射が確認されました(これも世界初!)。このことから、実際の地震においてもマイクロ波帯放射が起こっていると推測しています。現在、人工衛星のデータを解析して地震に関連するマイクロ波放射の検出を試みています。
11月:地震電磁観測研究簡述(国際地震動態)

 黄清華

10月30日:16回SBSスペシャル (SBS)


10月23日:ADDRESS AT THE INAUGURATION OF GENERAL ASSEMBLY OF INTERNATIONAL UNION OF RADIO SCIENCES (URSI) (The President of India)
It is hoped that well organized electromagnetic monitoring may provide unique observational information on the pre-slips. Atmospheric/ionospheric anomalies still remains unresolved. Post earthquake disaster recovery, communication and damage assessment are also areas where space science and communication technology can quickly make its impact. I am sure radio scientists will definitely be keen to establish the co-relation between the occurrence of earthquake and the electromagnetic disturbances noticed in the specific region.
* 関連:The Radio Science Bulletin No 317 (URSI)
* 参考:Annual Report 2004-2005 (DST)

10月23日:地震予報に挑む 串田嘉男さん(スタ☆メン)

 串田さんが偶然見つけた地震とFM電波の関係。いまでは大学などでも研究されています。将来的には地震の予測を社会に役立てたいと思っている串田さんですが、まだまだ研究段階にあり予測の精度も完璧ではないため公表するまでには至っていません。スタ☆メンでは串田さんの研究を今後も継続的に取材をしていきたいと思っています。

10月21日:FM電波で予知可能? 地震学会、期待と疑問 北大助教授が発表(北海道)

 北大で開かれている日本地震学会で、同大理学研究科の森谷武男助教授が発表した、FM放送の電波観測による予知の研究が論議を呼んでいる。
 「電波をみれば、大地震はほぼ予知できる」。十九日に行われた地震予知の分科会で、森谷助教授はこう主張した。
 FM放送局が送信する電波は通常、二百キロ以上離れた場所や山などの障害物がある地域は受信できない。森谷助教授は「地震直前になると、地殻変動の影響で地震が発生する場所(震源域)の上空に電波を散乱させる層ができ、本来なら受信できない場所まで電波が届くようになる」と考え、二○○○年から「電波予知」の研究に取り組んでいる。
(中略)
 しかし、学会の主流や政府が可能とする予知は、地震周期の研究などで数十年単位の発生確率を予測する程度。電波の観測による短期の予知には首をかしげる研究者も多い。
 東大地震研究所の平田直教授も「なぜ電波が遠くまで届くのかメカニズムを解明しなければ、一般の人が期待する防災に役立つ予知にはならない」と指摘している。
 大竹政和・日本地震学会長は「現時点で短期的予知は極めて困難だが、不可能とは違う。研究は活発に行うべきだ」と話している。

* 参考:地震に先行するVHF(FM放送波)散乱波の観測的研究(北海道大学地球物理学研究報告)
    「地震予知のための新たな観測研究計画(第2次)」の平成16年度年次報告【北海道大学】(文部科学省測地学分科会)
* 関連:DS特集「地震は予知できる」(札幌テレビ)

10月13日:日本電気通信大学電子工学科教授早川正士博士招待訪問我所(中国地震局地球物理研究所)

 2005年10月11~13日、日本電気通信大学電子工学科教授早川正士博士が、国立地磁気ネットワークセンターの招待で本所を訪問し、12日、「Electromagnetic precursors of earthquakes(地震的電磁前兆)」と題した講演をした。
 早川正士博士はこの訪問のために注意深く準備し、報告内容は広範で豊かで5時間続いた。主な内容は次の通り:(1) General situation; (2) ULF emission; (3) Seismo-atmospheric perturbations; (4) Seismo-ionospheric perturbations and lithosphere-atmosphere-ionosphere coupling; (5) Satellite observation。
 報告会は地球所副所長高孟潭研究員が司会を務めた。中国地震局地球所、预測所、台網中心、地質所、工程中心,北京市地震局,北京大学,中国科学院地質・地球物理研究所の8機関の40名以上の研究者と大学院生が報告書に出席し、早川正士博士と関連する問題に関する幅広い交流と議論を行った。地震電磁波の先駆的情報の分析に取り組む早川正士博士が記述した方法は、私たちの今後の研究に重要な影響を与えます。
10月11日:スウェーデンの政府機関、地震予知モデル開発に成功? (HotWired)

 スウェーデンの研究者たちが、地震を予知する新しいコンピューター・モデルを開発したと主張している。このモデルは、27万5000人の犠牲者を出した2004年のスマトラ島沖地震を――遡及的にではあるが――正確に「予測」したという。
 スウェーデン防衛研究局(FOI)の研究チームは、この地域の5年分の地震学関係のデータ――624回の地震の記録を含む――を使い、スマトラ島沖でインド・オーストラリアプレートがユーラシアプレートに潜り込むことによって生じる巨大なひずみを調査した。 研究チームがとくに注目したのは、大規模な地震と小規模な地震の発生頻度の比率だ。地震学ではこの比率を「b値」と呼ぶ。
 b値が低いほど地殻内のひずみが大きく、大地震のリスクが高まっていることを意味する。このことは何十年も前から知られていたが、FOIのモデルでは、5年分のデータを使い、新たな方法で時間と場所ごとにb値を入れてみた。
 FOIの研究者、リーフ・ペーション氏は声明の中で、「われわれは、すべての大きな揺れが時間軸の中にはっきり目に見える形で示されていることを発見した。b値は大地震の前に劇的に下がっていた」と述べている。

* 関連:Spatial and temporal b value anomalies preceding the devastating off coast of NW Sumatra earthquake of December 26, 2004 (GRL, VOL. 32, L11307)

9月30日:The Bionic Anticipation of Natural Disasters (J. Bionic Eng.)

* 関連:マイナスイオンと地震予知(市民のための環境学ガイド)
* 参考:大地震の前兆 こんな現象が危ない(池谷元伺)

9月30日:地殻変動観測点 春野の歪計追加 3日から運用(静岡)

 新たに組み込まれるのは、県が浜松市春野町豊岡の旧豊岡小グラウンド跡の地下400メートルに設置した「多成分歪計」。体積歪計とは異なり、地盤の伸び縮み状況のほか、その方向まで検知する。
 平成10年3月の設置以来、観測を続けてきた。データが安定し、異常検出レベルの設定が終了したことから、「東海地震に関する情報」を発表基準に用いる対象観測点に加えることになった。

* 関連:東海地震 解説資料(気象庁)

9月27日:科学技術動向 2005年 9月号 (NISTEP)
6.我が国が注目すべき新しい地球観測手法の研究事例やアイディア

 社会利益分野の中で我が国の安全・安心のための政策として最も重要度が高いと考えられるのは、地震対策である。これまで地下や海底に多数の地震計を設置して、いちはやく地震発生を検知するシステムの構築を行っている。従来、地震計などによる現場観測が主体であった地震探知の分野においても、最近は全く異なる方法での観測技術が研究され始めている。

 例えば、フランスの電磁波観測衛星(DEMETER/デメター)は2005年6月に打ち上げられ、電磁波異常と地震発生の関係について研究するためのデータを収集している22)。米国では民間会社が打ち上げたQuakesat衛星により地震によると思われる電磁波を検出している。

 我が国では2003年より宇宙航空研究開発機構において、1981年に宇宙科学研究所(ISAS)が打ち上げた太陽観測衛星「ひのとり」〔軌道傾斜角30度:高度600km〕が取得したプラズマパラメータと地震発生との相関解析を行った。このような解析をより多く行うよう、研究を促進すべきであると考える。

9月25日:高知大学ラジオ公開講座

 南海地震と発光現象
 講師:村上 英記(理学部)

9月15日:宇宙開発競争を変える「Apple IIのような人工衛星」(CNET Japan)

 CubeSatsは、性能で商用衛星と競合することはできないが、星空に浮かぶオモチャというわけでもない。スタンフォード大学とQuakeFinderという会社は、3連のCubeSatを2003年に打ち上げ、これで断層から出る地震エネルギーを監視して、地震の予知に役立てようとしている。Twiggsによると、このQuakeSatがサンアンドレアス断層上空を通過するたびに低いレベルのエネルギーが検知されているという。なお、現在は2008年の打ち上げを目指して第2世代機の設計が進められている。
9月15日:VHF帯域電波観測による地震予兆現象観測に適したFM波送信源の推定方法 (j-tokkyo)

【課題】本発明は、VHF帯域電波観測による地震予兆現象観測に適したFM波送信源の推定方法を提供することにある。
【解決手段】VHF帯域電波観測による地震予兆現象観測に用いるFM波送信源の推定方法であって、観測点Rと複数の送信源Tnとは、スペクトラム拡散技術を用いてデータ信号の送受信が行われるようになっている。送信源Tnのそれぞれには、SS送信機が備えられている。SS送信機では狭帯域変調とPN符号による信号変調が行われる。送信データは送信源Tnを示すコードが入っている。観測点Rには、逆拡散/復調装置が備えられている。逆拡散/復調装置では、いずれかの送信源Tnからの広帯域信号を受信すると、受信データに対し送信源Tnと同じPN符号をタイミングを同期させて乗積して逆拡散処理を行い狭帯域信号を得る。次に得られた狭帯域信号を復調して送信データが復号される。

9月:「地震予知のための新たな観測研究計画(第2次)」平成16年度年次報告(測地学審議会)

 1006 地震に関連した電磁気シグナルの発生・伝播メカニズムの解明【北海道大学】

愛・地球博で見つけた地震ネタ(渡辺@名大さん)

「現在、キルギスでは地殻変動深層電磁コントロールシステムが稼働している。」
特筆すべきは、キルギス共和国で過去20年にわたって行われてきた地殻深部の電気伝導度変動の監視観測である。電気伝導度変化と地震発生に対応が見られるだけでなく、その観測用の大電流(~1キロアンペア)パルスが地震活動を誘起するという結果は、これまでの研究アプローチに再検討を迫るものであろう。
Source: 第1回「地殻の能動監視に関する国際ワークショップ」開催報告(地学雑誌 114 4) 659-664 2005)

* 関連:IT IS POSSIBLE TO SURPRESS AN EARTHQUAKE! (Russian Science News)
* 参考:Spatial-temporal structure of seismicity of the North Tien Shan and its changeunder effect of high energy electromagnetic pulses (Annals of Geophysics)
    High-Power Electromagnetic Impact on the Earth Crust for Prevention of Catastrophic Earthquakes (AGU 2006)

8月31日:2. 衛星による大気観測の将来について(第1回地球観測衛星研究連絡会の報告)(天気 52(8))

 われわれが元気になるためには、個別の努力と同時に、これらの「不運」に共通した構造上の問題を改善する必要がある。まず、長期的なシナリオの検討が常に必要である。特に研究衛星から現業衛星へと経験を継承する道筋を作ることが必要である。少なくとも気象庁とJAXAの間でこのような議論を開始することが必要である。また、現在の文部科学省による衛星ミッションの決定システムも検討するべきだと思う。Phase-Aから順次、レビューと競争淘汰を繰り返しながら、序々に予算を使いながらミッションを立ち上げるべきである。(中島 映至)

http://www.isas.jaxa.jp/home/rigaku/
8月31日:平成18年度概算要求等について(文部科学省)

◆全球規模観測研究の推進:地球観測サミットで謳われた全球地球観測システム(GEOSS)の構築に向けて、我が国の地球観測システムの統合の高度化を推進
・統合地球観測・監視システム:衛星、陸域・海域観測による統合観測・監視システムを構築し、より精密な地球温暖化の予測、地球環境の変動の解明、気象災害や地震・津波といった自然災害の予測に貢献(27,665百万円)
・我が国が先導的に取り組むべき研究領域について公募により技術開発・観測研究等を行う「地球観測システム構築推進プラン」(1,219百万円)

8月23日:平成17年 電気学会 基礎・材料・共通部門大会

 テーマ付セッション ①衛星を用いた電磁環境計測

8月22日:JAXA長期ビジョン――JAXA2025―― (JAXA)
また先日、ヨーロッパの地震大国イタリアが、宇宙から地震に関する情報を取得するための作業を、ぜひ日本と一緒にやりたいとのことで合意を得ました。災害対策の問題は、各国ともかなり高い関心を持っています。国際協調で対応することが十分可能な分野なので、むしろ喫緊の課題かもしれません。
* 参考:LAZIO-SiRad
8月17日:Powerful earthquake could strike Kamchatka (Novosti)

The Russian Emergency Situations Ministry is deploying additional units and equipment as a preventive measure against a powerful earthquake expected on Kamchatka, a peninsula in the northeast of Russia, a senior ministry official said Wednesday.

Lieutenant General Viktor Kapkanshchikov, head of the ministry's regional center, said 30 rescue workers had been temporarily transferred here until December during the heightened earthquake alert, in the wake of seismologists' warning that a magnitude 7.2 quake could rock the region between now and December.

According to the official, additional equipment, instruments and medical supplies will be delivered at the end of August and a mobile hospital from the Rescue Center will be airlifted in early September.

Regional ministry branches are ready to deal with a possible emergency, Kapkanshchikov said. The employees are taking preventive measures to ensure fewer losses and less damage if an earthquake is to strike the region.

Exercises to check the readiness of all Emergency Situations Ministry units are scheduled for September 7-9 on Kamchatka and will be supervised by minister Sergei Shoigu.

A report from the International Institute of Earthquake Prediction Theory and Mathematical Geophysics predicted the region, including Kamchatka and the Kurile Islands, has a 70% chance of being hit by a quake until December 2005.
8月15日:QuakeFinder Steps Up Technology For Earthquake Forecasting (Terradaily)

QuakeFinder, a private research company based in Palo Alto, California, is undertaking a significant upgrade of search coil magnetometer sensor technology applied to measuring the subtle effects in the earth and ionosphere, occurring several hours to days before major earthquakes, which may provide the foundations of short-term forecasts.

* 関連:QuakeFinder、衛星利用による地震予知技術でさらに進歩 (Spaceref)

8月12日:Study of Magnetic-Precursory Signals to Large Earthquakes (USGS)

The purpose of this Mendenhall opportunity is to conduct a critical examination of existing precursor reports, focusing first on the ground-based data, then on the space-based data. The study will include a general study of the multiple sources of ULF wave generation in order to more objectively assess the likelihood that ULF waves can, in fact, be practically used for earthquake prediction.
8月5日:21世紀フォーラム(新経営研究会)

 東京大学 名誉教授 東海大学 教授 上田誠也氏 東海大学 地震予知研究センター長 教授  長尾年恭氏
 『地震は予知出来るか、地震予知研究の現状と課題』

8月4日:Russia building new Earth observation space system (Novosti)
One of the programs to which the Resurs-DK1 will contribute is the Pamela experiment, part of the Russian-Italian Mission (RIM) - also supported by Germany, Sweden and the United States - that is looking for traces of early days of the Universe.

Professor Arkady Galper, the Russian co-director of the project, says research will focus on the dark matter.

"We know that dark matter, or hidden mass, accounts for 30% of the Universe. The other 70% is space vacuum energy, directed against gravity, driving the indefinite expansion of the Universe," Galper said. "The primary aims of the RIM Pamela experiment will be to get a toehold inside the mystery world called dark matter, and to measure the masses of its elementary particles, if there are any."

The Earth observation satellite will also carry equipment for the Arina mission, an attempt to get a better insight into electromagnetic field fluctuations, so far a puzzling phenomenon believed to be a credible precursor of an earthquake.
* 参考:High energy particle flux variations as earthquake predictors, International Journal of Rock Mechanics and Mining Sciences and Geomechanics Abstracts, Volume 32, Number 8, December 1995, pp. 360A-360A(1)

Atmospheric Research Volume 76, Issues 1-4, Pages 1-518 (July-August 2005)

 Earthquake light: 1995 Kobe earthquake in Japan
 Masashi Kamogawa, Hideho Ofuruton and Yoshi-Hiko Ohtsuki

* 関連:NGV-Geonieuws artikel 605 (Dutch Geological Society)
* 参考:ScienceDirect TOP25 Hottest Articles (OCT - DEC 2005) No. 1

プラズマ・核融合学会誌 第81巻第7号 (2005年7月)

集中講座:プローブ計測の基礎から応用まで
 電離圏電子温度は電離圏のわずかな変化に極めて敏感である。最近筆者らは”ひのとり”で得られた電子温度と地震との関係を詳細に検討し始めた。電子温度は地震発生1週間ほど前から平均値より低くなり始め、地震発生時に最もモデルからのずれが激しく、地震後1週間ほどして元にかえる例がみられた。すべての地震に対して上記のことが見られるわけではなく、現時点では地震と1対1の対応はつけがたいが、地震に伴う電磁現象の研究にDCプローブ(電子温度プローブ)が応用できる可能性がある。(小山 孝一郎)

7月21日:電波天文業務の保護基準について(国立天文台)
 平成7 年の阪神淡路大震災の直前,兵庫県立西はりま天文台に兵庫医科大学の前田耕一郎助教授(電波天文学)が設置している木星観測用の電波受信装置が地震の前後にかけて天体からのものとは明らか異なる異常電波の波形をキャッチした。20年間も電波観測を行ってきたが全く初めての波形で,極めて限られた地点から放射された珍しい短波で現段階では地震以外の原因が見当たらなかった。記録紙によると1月17日の地震発生40分前の5時頃から約20分間、地震発生後も45分間記録されている。通常なら波形は上下に振れるが,この波形は上方だけに短く振れた特異なものであった。前田氏は電波望遠鏡が設置されている佐用町から南数十km以内の特定の地点からの連続して放射された短波と分析し野島断層が走る淡路島北西からの可能性が高い事が判った。このように電波天文観測設備は,その高感度さゆえに様々な副次的応用が可能なシステムなのである。
* 参考:高速電力線搬送通信に関する研究会(第7回)(総務省)

7月20日:at home こだわりアカデミー

 宇宙からの雷観測(工学者 河崎 善一郎氏)

7月18~29日:IAGA 2005 Scientific Assembly

 GAI01 Monitoring earthquakes and volcanic activity by magnetic, electric and electromagnetic methods
 GAIII06 Magnetosphere-ionosphere coupling dynamics

7月8日:「学習内容と日常生活との関連性の研究」調査研究事業報告書(文部科学省)
 電磁気学的な地震予知は日本をはじめ、ギリシャ、ロシア、中国、アメリカなどで研究が進められています。
 地震が発生する前には岩石破壊現象などによって直前に前兆現象が起こることが考えられ、それをキャッチすることで地震予知による被害軽減を図ろうとすることが目的です。
 その電磁気学的な地震予知研究の一例として、ギリシャで地震予知に成功したとされているVAN法があります。VAN法はギリシャの3人の研究者(Varotsos, Alexopoulos, Nomikos)の頭文字から名付けられたものであり、複数の地点で地中を流れる地電流観測を行って、何地点かの地電流変化を検出することで震源位置やマグニチュードを地震発生前に推定し予知を行おうとする方法です。1985年以降からは前兆現象が観測された場合にはギリシャ政府に知らせるようになっています。気象庁地磁気観測所(2002)によれば、「VAN法の予知がどの程度成功しているかについては、成功率(=成功予知数/予知数)・警告率(成功予知数/地震数)等の統計手法、定義によって多少異なりますが、いずれもほぼ 60%程度と報告されている」とのことです。しかし、VAN法自体もまだ研究段階であり、必ずしも現段階では世界的に認められた地震予知方法というわけではありません。また、日本では電車、高圧線などの人工的なノイズが多いため、ノイズ除去のための研究も併せて行われています。
 また、1995 年兵庫県南部地震の際は、地震発生直前に地中だけでなく、大気の電磁場の変化による様々な電磁波異常が観測されています。電離層電子密度が地震前に変化し、本当は届くはずのない遠くのFM放送局からの電波が電離層で反射して届いた事例があったことから、こうした電磁波の伝播状況の変化を観測するなどの地震予知研究も行われています。
 ただし、以上のような電磁気現象と地震との関連についての詳細なメカニズムは、まだほとんどが解明されていないのが現状です。現在、このような電磁気学的な地震予知研究が気象庁、国土地理院、科学技術研究所及び大学をはじめとする様々な機関で精力的に進められています。
 このように、電磁気の学習が地震予知研究に活用されているのです。(堤一憲)
* 第7章:電磁気学的な地震予知 (564p)
7月7日:Russian Researcher to Discuss Practical Earthquake Detection (UTD)

 Practical Earthquake Prediction (July 7)

7月5日:Was early warning of Sumatra earthquake possible? (Coordinates)

 SHUNJI MURAI, HARUMI ARAKI

 The authors have discovered serious signals within ten days before the earthquake with respect to the daily change ratio of triangle areas near the origin of earthquake.

* 参考:Monitoring of Disasters using Remote Sensing, GIS and GPS

7月4日:東大で学んだ卒業論文の書き方(中田亨@産総研)
「みんなと逆のことをやれば、だいたい正解である。大多数の人間は間違っている」
(マーヴィン・ミンスキー。金出武雄「素人のように考え、玄人として実行する」より)
「敵の虚を衝けば快進撃できる」(孫子)

7月1日:科学で地震は予知できるか! 環境電磁界観測による地震前駆現象の研究(電気学会東京支部)

1) 総論(緒言,一覧表による各論紹介,地震発生データの画像紹介)
  堀井 憲爾(名古屋大学)愛知 久史(大同工業大学)
2) VAN法による地震観測(含,海外の研究状況)
  長尾 年恭(東海大学)
3) 環境電磁界の観測(含,発光,LF~HF各種電磁界観測)
  畑 雅恭(中部大学)
4) 大気・電離層擾乱の観測(含,衛星観測と電波異常伝搬)
  早川 正士(電気通信大学)
5) 地震発生率と的中率(含,今後の課題)
  佃 為成(東京大学)

東京大学地震研究所ニュースレター(2005年7月号)

 特定共同研究A「内陸直下地震の予知(研究代表者 佃 為成)」(2005-A-11)

* 関連:深部地下水の放出と地表現象(地震研究所彙報第80冊第3/4号 2005年)
    Analysis of ground surface temperature before occurrence of earthquake by satellite thermal infrared data (IEEE)

6月30日:日本災害情報学会 新旧会長公開対談「首都直下地震と災害情報を中心に

 阿部:私の好きな言葉を最後に、「災害に時なし、場所なし、予告なし」。十分に噛みしめてもらいたい。
 廣井:災害に時なし、場所なし、予告なし。これを言うのが予知学者。
6月29~30日:宇宙・航行エレクトロニクス研究会(SANE)(電子情報通信学会)

 宇宙応用シンポジウム -災害監視衛星特集-

* 関連:GPSによる地震発生時の電離層擾乱観測(笠井デザインオフィス)

6月27日第87回地域づくり勉強会国土交通省東北地方整備局

『地震予知研究の最前線と地震防災対策の盲点-死なないためにできること-』
~東海大学海洋研究所地震予知研究センター長、教授 長尾年恭~

地震計はいわゆる地震予知には役に立たないのです。役に立つのは地殻変動の観測です。東海地震の判定会でも今は地震計のデータは一切使っていないのです。政府もみなさんも、日本は地震予知研究をやっていると思ってます。国民の実現してほしい技術のトップクラスに地震予知はきます。けれども、地震予知、直前予測の研究をやっているかというと、実は、誰もやっていないということを誰も知らないのです。東大の地震研に入ってまず言われることは、地震予知をやりたいという人は出てってください、うちは地震予知はやってませんとはっきり言います。

驚くべきことは、フランスが人工衛星を打ち上げ、その後もトルコ、それからメキシコ、ウクライナ、ロシアが、地震予知の為の電磁気衛星を打ち上げようとしています。イタリアは、今の国際宇宙ステーションに先月、器械を持ち込んで、有人でも地震予知のための電磁波観測を国際宇宙ステーションからやろうとしています。日本だけはこの分野において何もやってない状況です。
* ほそぼそとやってはいるんですが・・・(^^;
6月24日:兵庫県南部地震10周年シンポジウム(関西サイエンス・フォーラム)

『地震前兆現象は果たしてあるのか』~地震予知研究の現状と展望~
 地震予知の実現に向けて資料(尾池和夫)

* 関連:地震前兆現象に関するシンポジウム(山本嘉一郎)

6月22日:Monitoring of a preseismic phase from its electromagnetic precursors (PRE)

 地震の前に観測される電磁場変動は、antipersistentからpersistentへと変化するというものです(以前PRLに掲載されたものとこの点は一緒です)。さらに、このような変化とcritical mapping(critical pointの近傍でみられるintermittencyを説明するモデルの一つ)との比較もしています。
 少々古い論文なので既に御存知の方もいるかと思いますが(似たような報告がJGRなどからたくさん出ているようです)、電離層のsubstormをcritical phenomenonとして考察した論文もお送り致します。内容は衛星のデータと地上のデータに基づいて、singular spectrum analysisを行い、(動的)臨界指数を求めたというものです。(田中@アテネ大さん)

* 関連:Modeling substorm dynamics of the magnetosphere: From self-organization and self-organized criticality to nonequilibrium phase transitions (Mikhail I. Sitnov)

6月20~24日:International Symposium on Remote Sensing of Environment 2005

 Disasters and Hazards
 Programs, Platforms and Sensors

6月11日:Young inventors bring home big awards (Axcess News)
Urged by his teacher, Sharma, and two of his science-minded classmates from Highland Park, N.J., decided to take on a different type of humanitarian effort ? they would create a model for a satellite system that would detect the precursors of an earthquake weeks before its occurrence.
The group's efforts paid off in prestige and in cash this week. They won the top spot in the senior division at one of the most competitive science competitions for young inventors, the Exploravision Awards, sponsored by Toshiba. The competition drew 4,405 entries.
* ほぼコレですね(^^;
* 関連:Three receive science award (Home News Tribune)

6月10日The Physics of Seismic Electric Signals (TERRAPUB)

 約25年間にわたり、ギリシアのVANグループは地震電磁信号(SES)の調査をしてきました。彼らはSESが地震の前に地表で記録されると主張します。もちろんVANグループの主張に対し、重大な反論もありました。
 本書にはSESの物理だけではなく、上記の反論も含まれています。

* 英文解説と注文書 [pdf]

6月9~11日:2nd International Conference on Recent Advances in Space Technologies

Session-4B: Space Weather-I
1. The Use Of Subionospheric VLF/LF Propagation As The Means To Study Ionospheric Perturbations Associated With Earthquakes Masashi Hayakawa
2. Observation Of ULF (Ultra-Low-Frequency) Electromagnetic Emissions Associated With Earthquakes Masashi Hayakawa
3. Measurement Of Earth Electric Potentials And ULF Signals For Seeking Earthquake Precursors B.V. Boytchev, P.I. Nenovski
4. Modification Of An Electron Density Profile About The Earthquake Epicenter By GPS Data E.V. Smirnova, V.M.Smirnov
5. A Hybrid Reconstruction Algorithm For Computerized Ionospheric Tomography Ersin Yavuz, Feza Arıkan, Orhan Arıkan
6月8日:UK scientists find effects of lightning at the edge of space (CCLRC)

 オックスフォードシャーの科学者は、稲妻は地面と電気的接続を作るだけではなく、地球大気の外縁における充電を高めることを示しました。今週ネイチャーに掲載された論文では、CCLRCラザフォード・アップルトン研究所の科学者は、稲妻と地球の電離層-高度約100kmから上に広がる帯電ガス層-との関係を示します。

* 関連:電離圏スポラディックE層の電光で誘起される増強 (Nature, 9 June 2005)

6月3日:21世紀の地球電磁気学(日本学術会議)
 地球電磁気学の各研究領域における現状認識および問題点の指摘と将来展望を行って重要課題をまとめ、これらの課題を推進するために必要な具体的施策を、太陽地球系科学から宇宙空間研究の3課題および大気圏研究の5課題の合計8課題と、固体地球電磁気学の5課題について述べた。  宇宙空間研究では、(1) 太陽および地球磁気圏の衛星観測と惑星探査の推進、(2) 地上大型設備の新設・拡充、(3) 国際協力の推進の合計3課題、大気圏研究としては、(1) 国内観測のネットワーク化、(2) 極域の大気観測、(3) 赤道大気、(4) 衛星観測と新しい観測技術の開発、(5) 惑星大気観測の5課題を必要な具体的施策とした。また、固体 3地球研究については、(1) 衛星によるグローバル地球磁場観測の実施、(2) 地磁気観測所およびグローバル地球磁場・電場長期観測実施体制の整備、(3) 統合深海掘削計画(IODP)への積極的参加による古地磁気研究の推進、(4) 地球電磁気学的手法による地殻活動監視のための連続観測点の設置、(5) 地震・火山現象を解明するための新しい観測・解析手法の開発の合計5課題が、具体的施策として必要と結論した。
* 関連:衛星による地球電磁気観測に関する提言(Nov. 2000)

6月3日:Low-latitude ionospheric turbulence observed by Aureol-3 satellite (Annales Geophysicae)
     Y. Hobara, F. Lefeuvre, M. Parrot, O. A. Molchanov

 屈折率や電場のパワーに関しては、電離層の擾乱に対する主要な地震活動の効果は決定的ではありません。 しかしながら、地震期間のバースト電場の平均値は非地震の期間より大きく、平均値の統計的な違いは極めて重要です。

6月1日:大地震の予知は可能? 地球惑星科学関連学会2005年合同大会に参加 (JANJAN)

 こうした地震への「予知」は、どうなっているのだろう。地震予知研究が始まって40年経つというが、短期予知には悲観的見方が支配的であるらしい。地球化学的手法、電磁気的手法が相当の成果を上げているが、一般の懐疑主義には打ち勝つことができていないという。
 しかし、新しい考え方として、地震発生前に地上100kmの電離層に先行現象が起きる岩石圏―大気圏―電離圏が相互作用する概念があるそうだ。
5月31日:問題山積のJAXA長期ビジョン(1):選択も集中も生かされていない総花的内容 (nikkeibp)

 聞くところによると、長期ビジョンの策定は相当の意気込みを持って始まったが、JAXA内でどの部分を切り捨てるべきか見えてくると、切り捨てられる側に入った関係者が強力な巻き返しを展開して、現在の形になったという。
 この話が事実なら、どの分野が損失を発生させているかを議論するに先立って、統合前の旧三機関の縄張り意識が「ウチだけが割を食うのでは」という組織防衛の方向に働いて、冷静な議論を不可能にしてしまったということだ。
 結果として、「2015年に実施すべきかを判断する」となった宇宙3項目と、航空1項目は、過去20年の間続けてきた方向を、無批判にそのまま継承したものとなってしまったのだ。

* JAXA2025 | 宇宙開発、戦略練り直しを(日経)

5月28日:QuakeSat受信(衛星通信入門)

 観測はしてないと思いますが・・・。

* 参考:Using Nanosats as a Proof of Concept for Space Science Missions: QuakeSat as an Operational Example (Quakefinder)

5月27日:平成17年度 総会 記念講演(大阪府電磁波利用技術研究会)

 演 題 電磁気現象による地震予知の可能性
 講 師 電気通信大学 電気通信学部 電子工学科教授 早川 正士 氏
5月22~26日地球惑星科学関連学会2005年合同大会

22日:超小型衛星による地球惑星圏科学への挑戦衛星利用多点測定観測システム
    地震学会記者懇談会 | 第18回記者懇談会報告
24日:グローバル地磁気観測分科会
25日:次世代の大地震発生予測地震予知研究-過去,現在,未来 [ppt](上田 誠也)
26日:大学等からのボトムアップ提案による地球観測科学衛星構想
   地震関連電磁気現象と地殻活動予測の可能性

* 26日18:00より第19回SEMS研究会総会を幕張テクノガーデン東高層館D1401号室で開催します。

5月24日:全国に災害情報を一斉通報 国民保護法受け消防庁(共同)

 総務省消防庁は23日、地震や津波による災害情報など政府が持つ緊急情報を、人工衛星を使って瞬時に全国すべての自治体に一斉に通報できる「全国瞬時警報システム(J-ALERT)」を開発、整備する方針を固めた。
 国土交通省などの従来の災害警報は、河川、沿岸地域など被害の想定地域に限られており、全国一斉に災害情報を伝達できるシステムは初めて。
 J-ALERTの整備は国民保護法に基づくもので、消防庁は「同法の成立により、国民に災害情報を瞬時に伝える責務がある」としている。また他国からのミサイル発射などの情報が防衛庁を通じてもたらされれば、ミサイル到達前の情報伝達も可能になる。

* 関連:平成17年度一斉情報連絡システム構築支援業務(内閣府)

5月20日:地震調査研究推進本部政策委員会 第1回総合的かつ基本的な施策の評価に関する小委員会(地震調査研究推進本部)

 平成17 年度地震調査研究関係政府予算案(省庁別) [pdf]

5月19日:地震予報地図ウェブ公開、24時間以内の発生確率を色分けで (HotWired)

 米地質調査所(USGS)は18日(米国時間)、カリフォルニア州の地震予報地図をウェブサイトで公開した。同州で24時間以内に強い揺れの地震が発生する確率を、地域ごとに色分けして表示する。データは1時間に1回以上の頻度で更新するという。
 地図上の色は、改正メルカリ震度6(気象庁の震度4に相当)の揺れの地震が24時間以内に発生する確率を示す。10万分の1以下の地域が青、1000分の1が黄緑、10分の1以上がオレンジから赤というふうに、グラデーションで表示し、クリックで拡大表示もできる。
 USGSカリフォルニア支部とスイス連邦工科大学チューリッヒ校が協力して開発したもので、USGSと南カリフォルニア大学南カリフォルニア地震センターが資金を拠出した。予報地図は、5月19日付の英科学誌『ネイチャー』でも紹介された。(
 同州は米国最大の地震頻発地帯。官学による地震研究が盛んで、州政府などによる防災対策も進められている。

* 関連:Quake-Wary Californians Get Computerised Virtual Taste Of The "Big One" (Spacedaily)
* 参考:LA's 'Big Squeeze' Continues, Straining Earthquakes (JPL)

5月19日:上空300kmまで乱れ達する スマトラ地震直後の電離層(共同)

 昨年12月のスマトラ沖地震発生直後、震源地周辺上空の電離層の乱れが高度約300キロにまで達していたことが名古屋大太陽地球環境研究所の調査で分かり、同研究所の大塚雄一助手(電磁気圏環境)が19日明らかにした。22日に千葉市で開かれる地球惑星科学関連学会で発表する。
 大塚助手らのグループは衛星利用測位システム(GPS)を使い、衛星から発信された電波がインドネシアとタイの計5カ所に設置された受信機に届くまでの時間を基に、地震発生前後の電離層の変化を観測した。
 その結果、地震から14-30分後に、電離層の電子が揺れ、プラズマ密度が高くなっているのを確認、電離層の乱れは高度約300キロに達していた。磁力線の影響で、震源地付近よりも北側に約2000キロ離れたタイ上空で顕著で、乱れの規模は2003年の十勝沖地震(M8.0)の10倍以上だったという。

5月19日:第19回地震電磁気セミナー

 表参道の電気通信大学スカイオフィスで開催されます。(調布キャンパスではありません)
5月18日:平成17年度 第1回研究会(電波航法研究会)

2.地震に伴う電磁気現象のいろいろ 954KB
 地震前兆電磁気現象について、ULF、VLF/LF、HF/VHFの各波帯における電磁放射の観測や、ULF/ELF/VLF波の衛星観測、見通し外VHF波の受信、リモートセンシングによる地表温度の上昇の観測等から、地震予知の実現可能性についての説明。
(講演者:電気通信大学 早川 正士 教授)

5月17日:RUSSIA TO LAUNCH WEATHER SATELLITES (Novosti)
MOSCOW, May 17 (RIA Novosti) - Russia has no weather satellites in orbit. The Meteor-M spacecraft is to fill up this substantial gap in the satellite group in 2006, says a report by the Russian Space Agency (Roskosmos).
"The completion of the construction, tests and the launch of the Meteor-M weather satellite and a smaller craft Canopus-Vulkan (for detecting man-caused catastrophes and first signs of earthquakes and avalanches) are scheduled for 2006," Roskosmos said.
According to the draft of a new federal space program, allocations to remote Earth sensing will be almost 4 billion rubles in 2006 ($1=27.99 rubles), the document said.

5月17日:平成16年度特許出願技術動向調査報告の公表について~特許から見た技術動向~(経産省)

 平成16年度特許出願技術動向調査報告書自然災害対策関連技術(要約版)

第2-4表 地震・火山分野の出願人ランキング
出願人出願family日本米国欧州ロシア中韓台その他WO
富士通(株)2727000000
沖電気工業(株)2727000000
オムロン(株)2626010100
アカシ(株)2424000000
INST FRANCAIS DU PETROLE (INSF)221432107210
鉄道総合技術研究所(財)1818000000
東京ガス(株)1616100000
EARTH PHYSICS INST CONS (EART-R)1600016000
生方製作所(株)1616050550

* 参考:特許電子図書館
* 関連:平成16年度特許出願技術動向調査報告を公表(知財情報局)

5月13日:地震や噴火の予測が最重要=今後30年の研究開発展望-文科省研究所

 今後30年間で最も重要な研究開発課題は、大地震や火山噴火の高精度予測技術と、人工衛星や無人飛行機などを活用した災害危機管理システムだと、文部科学省科学技術政策研究所が13日発表した。ほぼ5年おきに行っている研究者・技術者への大規模アンケート調査の結果で、内閣府の総合科学技術会議が策定中の第3期科学技術基本計画(2006~10年度)に反映される。

* 関連:我が国における科学技術の現状と今後の発展の方向性 (NISTEP)

5月10日:Electrokinetic effect of the Loma Prieta earthquake calculated by an entire-Earth FDTD solution of Maxwell's equations (GRL)
We accommodate the complete physics introduced by impulsive electromagnetic wave propagation through the conductive Earth, and hence illustrate the importance of solving the full Maxwell's equations when modeling current sources within the Earth's crust. Our calculated spectra agree qualitatively with those reported by Fraser-Smith et al. (1990).
* 関連:Jamesina J. Simpson Antony C. Fraser-Smith

5月10日:地震予知へ釧湖陵高生と釧工高生がタッグ 電磁波観測しデータ分析(北海道)

 釧路工業高校と釧路湖陵高校が連携し、課外活動で地震予知に取り組む。釧工に設置されている「電磁波ノイズ感知装置」を使い、生徒がデータ集めや地震前後の傾向などを分析する。両校は「地震多発地帯という地域性を生かし、生徒の防災意識と研究意欲を高めたい」と張り切っている。
 この感知装置は、地震で岩盤が破壊される際、大量の電磁波が出ることに着目し、東京の民間企業などが開発した。国内二十カ所余りに配置し、東京の研究所が全国規模で地震予知を行っている。マグニチュード(M)5以上の地震が発生する一週間ほど前から、通常の千倍ほどの電磁波が観測されるという。
5月6日:Origin of the Usefulness of the Natural-Time Representation of Complex Time Series (Physical Review Letters)

 natural timeの概念は、心電図、膜チャンネルのイオン電流変動、地震電気信号、及び地震のイベント相関関係を含む、時系列的複雑系に隠された力学的特徴の解明に有効と判明しました。 しかしながら、この実証的有用性の起源はまだはっきりしません。 ここではウィグナー関数の適用とローカライズ特性の測定により、時間周波数領域で信号を強調するには、事実上この時間領域が最適であることを示します。

* 関連:Electromagnetic Signature of Prefracture Criticality in Heterogeneous Media
* 参考:Recent advances on the analysis of Seismic Electric Signals on the basis of natural time (鴨川研究室)

5月5~6日:GEON 3rd Annual Meeting

 QuakefinderJames CutlerさんのポスターA Data Fusion Center for the Seismo-Electromagnetics Community
5月3日:本震・余震前、地下水に変化 九大、情報提供の方針 福岡沖地震(朝日)

 産業技術総合研究所(茨城県つくば市)の小泉尚嗣・地震地下水研究グループ長は「長期の観測に加え、周囲の地殻変動のモデルやほかの観測データと照らし合わせた検証が必要」と話す。
 江原教授は公表でパニックが起きないか悩みつつ、「確立されていないとはいえ、5回も同じ変化が繰り返された。研究者の良心として、情報を公開し判断を委ねたい」と話す。本震級の可能性があれば、上昇に転じた最終段階で報道機関を通じ公表する意向だ。  福岡県は「説得力のある検証が必要。今後の研究の行方を見守りたい」、福岡市は「技術的には確立されていないと聞く。もし確実な情報なら、市長に上げることになるだろう」と話す。
 過去には未確立の予知情報をもとに行政が警戒態勢を取り、学者、行政の双方が批判を浴びたこともある。地下水も空振りする可能性は否定できず、仮に前兆だったとしても、毎回必ず現れるとは限らない。県や市、研究者とも「いつ起きてもいいよう備えが大事」とする点は一致している。

5月2~4日:DEMETER Guest Investigator Workshop@CNES Hqs.

 打上げ後最初のワークショップ
* GW中に設定するなよ・・・(;´Д`)
4月28日:宇宙開発の政策的課題 20年度見据え討議 懇談会を設置(日刊工業)

 文部科学省は宇宙開発委員会に「宇宙開発の政策的な課題に関する懇談会」を設置する。宇宙航空研究開発機構(JAXA)が打ち出した20年後の「長期ビジョン」を見据えた取り組みで、井口雅一宇宙開発委員長を始め、有信睦弘東芝執行役員常務西尾茂文東京大学副学長観山正見国立天文台副台長米倉誠一郎一橋大学教授の計9人で構成する。5月の連休明けに初会合を開き、05年末までに月1度のペースで議論する。

* 参考:日本の科学技術政策失敗の原因(小坂田宏造)

4月22日:地震予報の発展戦略は革新にある(中国地震局)

 翻訳はこちら

4月22日:Observing Earth's magnetic field from ISS (ESA)

 LAZIOの最も興味深く野心的な目的は、20年前にロシアの科学者によって提示された仮説に基づいています。それは地震が起きる領域から、低周波数電磁波の高い放射があるというものです。 これが正しいと判れば、地球の周辺の荷電粒子の強度と変化を測定することにより、地震の数時間前に検出し、発生領域を特定することは可能でしょう。
 「LAZIOは何よりも技術的デモンストレーションであると強調しなければなりません。」と、 イタリア核物理研究所ペルージャ局長兼LAZIO主任研究者であるRoberto Battistonは言います。 「ミッション期間中に取得されたデータは、翌月に分析されるでしょう。私たちは粒子フラックスの変化と同じ期間、地上局に示された地震の現象との関係に関する証拠を見つけようとするでしょう。」
 実験は日曜の朝、欧州中央標準時間10:00頃に始まりました。 実験を運用することと同様、Vittoriも装置が正しく動作することを確認し、全データの記録に使用されるメモリカードを入れ替える責任があります。 そして、いづれ地球上で解析されるでしょう。
 「データが解析アルゴリズムが信頼できると私たちに納得させることができるくらいのことを願っています。」と、Battistonは補足します。 「もし私たちの方法が有効であることを示せれば、いつの日か、この特定の問題の研究に捧げられた衛星の打上げを提案します。」
4月21日:地電流観測の縮小について(東海大学地震予知研究センター)

 現時点で観測を再開するには,寄付金等の民間資金に頼らざるを得ない状況です.
 幸い東海大学は特定公益法人のため,寄付金はすべて損金として計上する事が可能です.もし,「東海大の予知研究に対して寄付をしてもよい」とお考えになられる方がいらっしゃいましたら,ぜひ東海大学地震予知研究センターまでご一報いただければ幸いです.

* 地震前兆の科学(尾池和夫)
4月18日:Space station aims to spot seismic shocks (nature.com)

 和訳はこちら

* 関連:Space station earthquake experiment on shaky ground (New Scientist)
     Quake Chaser Lazio-Sirad Now Aboard The ISS (Spacedaily)

4月14日:Green light for Lazio-Sirad (PhysOrg)
地震を追いかける国際宇宙ステーションの実験

Lazio-Siradはデータを集める準備ができています。 その装置は国際宇宙ステーションに搭載され、その目的は地震の前に発生すると思われるバン・アレン帯のわずかな変化を捕らえることです。
* ENEIDEミッションに資金提供してるのは伊国防省とLAZIO地方です (防衛庁と東海三県が出すようなもんか?<ぉぃ)

4月12日:QuakeFinder Research May Provide a Promising Approach to Earthquake Forecasting (PR Newswire)
The International Workshop for Seismo-Electromagnetics (IWSE) conference in Chofu, Japan on March 15-17 attracted over 130 participants from Taiwan, China, Russia, India, Italy, France, Mexico, Austria, Israel, Bulgaria, Ukraine, Greece, USA and Japan. Papers presented at this conference indicate the possible existence of a variety of subtle effects in the Earth and ionosphere, occurring several hours to days before major Earthquakes, which may provide the foundations of desperately needed short-term forecasts.
* 関連:2004 Results are now Available. (Quakefinder) cool !

4月11日:第17回記者懇談会のご案内 (日本地震学会)

 2005年5月22-26日に開催されます地球惑星科学合同大会において、下記の日程で恒例の記者懇談会を開催いたします。
 取材活動で大変お忙しい折り恐縮ですが、ご出席いただければ幸いです。 なお、懇談会終了後に周辺の居酒屋で懇親会を予定しております。 合わせてご参加くださいますよう重ねてお願い申し上げます。

4月11日:偶然じゃない!福岡県西方沖地震も動物が予知してた(サンスポ)

 今回の動物たちの行動に対し、気象庁地震予知情報課は「地震の前兆とは考え難い」とバッサリ。しかし地殻破壊で生じる電磁波から地震予知を研究する東海大学地震予知研究センターの長尾年恭センター長(48)は、阪神大震災(平成7年)やスマトラ沖地震(16年)前に起きる動物の異常行動が多く報告されていることに着目。「電磁波と異常行動に因果関係はある」と断言する。
 新潟県中越地震前のハムスターの行動量を測定した「ハムスター観察の会」代表で同センター研究員の野田洋一さん(34)は「今回は震源が海底のため、電磁波が地上に伝わりにくかった。海底生物に異変が起きたのでは」と分析する。昨年6月、福岡市の海岸で幻の深海魚“サケガシラ”が大量に打ち上げられた珍事と地震の関連性を指摘した。

Distinguished seismological and electromagnetic features of the impending global failure: Did the 7/9/1999 M5.9 Athens earthquake come with a warning? (Earth Planets Space, Vol. 57 (No. 3), pp. 215-230, 2005)

 明確なVLF電磁(EM)異常がアテネ地震の前に検出された。 これらの放射は微小破壊過程の間、pre-focal領域から発せられたという仮説の立証を試みる。フラクタル力学によるスペクトル解析は、地震が接近するにしたがい、関連するスケーリングパラメータにおいて区別された変化が現れるのを明らかにする。
 これらの変化は、臨界点に対する地殻の変動は地震学的に起きるだけではなく、 破壊前電磁気的にも起きることを示すものである。VANシグナルに加え、時空間的熱赤外信号がアテネ地震の前に検出された。これらの異常は、ERS2 SAR画像の干渉ペアによって取得されたアテネ地震の断層モデルと同様、我々の結論の信頼性における確信への更なる支持をもたらす。

References
・Filizzola, C., N. Pergola,C.Pietrapertosa, and V.Tramutoli, Robust satellite techniques for seismically active areas monitoring: a sensitivity analysis on September 7th 1999 Athens earthquake,Physics and Chemistry of the Earth,29,517-527,2004
・Kontoes, C., P. Elias, O. Sycioti, P. Briole, D. Remy, M. Sachpazi, G. Veis, and I. Kotsis, Displacement field and fault model for the September 7, 1999 Athens earthquake inferred from ERS2 satellite radar interferometry, Geophys. Res. Lett., 27, 3989-3992, 2000.

* 関連:Airborne and satellite remote sensing (Istituto di Metodologie per l'Analisi Ambientale)
* 参考:Anticipating Earthquakes (Science@NASA)

3月31日:DEMETER latest news (CNES)

 昨年9月5日に発生した紀伊半島沖地震の一週間前に上空を通過したDEMETERが、電子密度の増加と電子温度の低下をとらえたデータを公開しています。

3月26日:緊急発表!!巨大地震は次はここで起きる!?…ニッポン防災センター(テレビ朝日)

 福岡の次は東京!?…首都直下型のXデーは▽スマトラ地震も予言米航空宇宙局が衝撃の予知▽東京壊滅危機…火炎合流・有毒ガス・津波▽地震で危険な家チェック法

* 「フランス、ロシア、アメリカが地震予知(研究)の衛星をあげてる。日本もロケット打上げに成功したんだからやればいい(池谷教授)」
3月25日:高知大学地域共同研究センター フォーラム2005 電磁気現象による地震予知の可能性

<基調報告>(座長 東海大学教授 長尾年恭氏)
1. 次期南海地震の規模と高知県の地震-現状で何をなすべきか- 高知大学教授 岡村 眞 氏
2. 日本の南海地震の前兆現象観測計画-現状と将来計画- 東海大学地震予知センター教授 長尾 年恭 氏
3. 海底・海中の電磁波観測の現状-海底下巨大地震の電磁現象観測- 高知大学名誉教授 佐々木 宏 氏
4. 兵庫県南部地震、中越地震と前兆的電磁気現象-直前予知のシナリオ- 電気通信大学教授 早川 正士 氏

* 地域共同研究センターフォーラム開催(高知大学学報)

3月20日:理研精神八十八年

 第1章 国際フロンティア研究システム~研究機関で初の任期制を採用~


科学技術庁一般会計予算の推移

3月20日:Quake amateurs shake skeptical pros (Japan Times)
"It's like a weekly magazine horoscope saying you'll have good luck this week because you're the Chinese zodiac sign of the sheep," said Mitsuyuki Hoshiba, deputy director of the agency's Earthquake Prediction Information Division. "Without an explanation of cause and effect, it doesn't amount to science."

3月19日:「宇宙から見た地震東京学芸大学物理学科助手 鴨川 仁氏(航空高専Saturday Afternoon School

 大地震は、地表に影響を与えるだけでなく、宇宙空間まで影響を伝える。近年、地震時のみならず地震前にも、宇宙で変化が見られるようだとする数多くの指摘がある。この現象は地震予測に使える可能性があるため極めて興味深い現象である。本講演では最新の研究成果を報告する。

* RealPlayerで視聴できます

3月15~17日International Workshop on Seismo Electromagnetics 2005 | Special Issue (PCE)


* 関連:地震の電離圏への影響 ─新しい研究分野─(小山孝一郎)

3月11日:徳島市内で地震予知講演会 矢田助教授、測定実績など解説(徳島)

* 「夢」は叶えるためのモノ・・・ボクはそう思います。

3月9日:スパコンで地震予知が夢 NASAの開発責任者(読売)

 米航空宇宙局(NASA)先進スーパーコンピューティング部門のウォルター・ブルックス最高責任者(物理学)が来日したのを機に、スーパーコンピューター開発の狙いを聞いた。
-世界最高水準に躍り出たNASAのスパコンとは?
 宇宙開発などを進めるため、昨年10月に強力なスパコンを完成させた。事故で失われたスペースシャトルにちなみ「コロンビア」と命名された。事故調査では スパコンによる模擬実験(シミュレーション)が極めて役立った。
-今後のスパコン利用は?
 シャトルのエンジンを、一部でなく丸ごと模擬実験するには、スパコンの能力を10倍にする必要がある。今は5日前にハリケーンの進路を正確に予測できるが、将来は地震発生を予知するのが私の夢だ。

3月2~4日:第4回大規模データマネージメントコンファレンス~防災予測システムを支える未来のテクノロジー~

 開催場所: 日本原子力研究所 関西研究所 多目的棟大ホール (京都府相楽郡木津町)
 主催: けいはんな文化学術協会
※講演スライド、ストリーミングをご覧頂くには入会手続が必要です。

3月2日:RUSSIA REMAINS SPACE LAUNCH LEADER (Novosti)

The second quarter will also see a Shtil launch vehicle blast off with the Compass-2 satellite on board. The Compass-2 was developed more than three years ago to test space-based earthquake forecast methodology and equipment to fit a production earthquake forecast satellite under the Vulcan program. A similar satellite, the Compass-2N, is scheduled for orbiting for the same purpose in the fourth quarter.

* 参考:RUSSIAN LAUNCH MANIFEST (21 Mar 2005) (Steven Pietrobon's Space Archive)

2月28日:Snails rocket up to ISS: Russia (Spacedaily)

 50匹のカタツムリといっしょに打ち上げられたようです。(^^;
 A good thing moves with the speed of a snail. (by Gandhi)

* 参考:国際宇宙ステーションへの補給フライト 17P (JAXA)

2月24~25日:第19回 大気圏シンポジウム

 宇宙航空研究開発機構相模原キャンパスA棟2階大会議場で開催されます。

2月23日:第17回地震電磁気セミナー

 東京学芸大学小金井キャンパスで開催されます。

2月16日:Riunione sulle prospettive della Fisica Astroparticellare nello spazio nell'INFN (INFN)

14:30 14:40 ESPERIA: un progetto di missione spaziale per lo studio di perturbazioni nella zona di transizione ionosfera-magnetosfera, V. Sgrigna

2月9日:衛星観測と地上磁場観測を用いた内部・外部電流構造の総合解析

 京都大学理学部4号館・共同会議室で開催されます。

* エビフライ(゜Д゜)ウマー
2月2日:Italians Make Earthquake Detecting Space Probe (Spacedaily)

 2月28日打上げ予定のプログレス輸送機で宇宙ステーションに地震検出プローブを搬入し、4月に行くイタリア人宇宙飛行士がセットアップするとか。(コンセプト自体は前世紀からありました)

* 参考:[earthquake prediction site:infn.it]で検索

2月2日:'It becomes the Marmara earthquake in 10 years' 'We say Marmara earthquake five days ago' (Milliyet)

 トルコで開催中の地震予知ワークショップに関する報道。要約すると、
  • 2010年までに地震予知の理論的な背景が解明され、2020年までに予知が可能になるだろう。
  • 衛星観測と地上観測を組み合わせることが必要である。
  • 地震予知が不可能であるという考えを持つ学者には賛成しない。
  • 国境を超えて地震予知に関して共同研究を行うべきである。
  • [sems : 1338] トルコ衛星計画

     2005年2月1-2日にトルコ・イスタンブールで"Early warning systems for earthquake monitoring by using space technology"なるworkshopがありましたので、簡単にご報告します。
     要は次なる破壊的地震はIstanbul近く、Marmara海辺りだろうと、トルコはおびえていて、何とか予知しないとひどいことになるという気運が高まっており、その一対策案として電磁衛星を上げる計画を立ち上げようというworkshopでした。Program(1 2 3)と参加者リスト(4 5)を添付します。Sessionはトルコの地震状況の説明からはじまりましたが、浅学の小生にはなかなかしっかりしていると見えました。次にわれわれ外人部隊がそれぞれ勝手なことをしゃべりましたが、Calif. 大のJohn Rundleさんはアメリカ地震学者としては珍しく予知にプラス思考の方で、何でアメリカはこうもconservativeなってしまったのかと嘆いていました。衛星関係者は当然積極派で、フランスのParrotさん(DEMETERの最新結果)、ロシア出身のPulinets, Ouzonov さんなどです。(ともに脱ロシア組ですが、脱北者的ではなく、ロシアとはいい関係にあるようでした。事実、トルコの衛星は彼らの仲介?でロシアであげるらしいです。)このほか衛星からの温度異常(イタリアのTramutoliさん)とそれに対応する?ラドン異常(トルコではかなり大々的に地上観測進行中)などが報告されました。
     感想としては、予知研究のしがらみ的歴史が短いせいか、できるか、出来ないかの類の論議はないようで、できるかもしれないならやらねば、という健全?思考が熱気をもって語られる世界のようでした。日本やアメリカでもかってはこういうときもあったのだがね、という皮肉な見方も出来ますが、今はscienceもtechnologyも40年前とはちがって彼らには後発の有利さがあるな、このままでは先進国?がおいてけぼりになるなという感すらもちました。
     ちなみに、トルコはイスラムの国ですが、地球物理研究所長(電子工学)も、大学学長(数学)もみめ麗しい女性でありました。

    上田誠也

    * 関連:Space-borne observations for short-term earthquake predictions (IEEE Antennas and Propagation Magazine)
    2月1日:第9回 生存圏波動分科会プログラム(京都大学生存圏研究所)

     WAVE09-03 尾崎光紀、長野勇、八木谷聡(金沢大学)、宮村和俊(PFU)
     地下応力変化による電磁波放射のFULL-WAVE解析

    1月31日:電気通信大学紀要, 17巻1号

     地震に伴う電磁気現象のいろいろ. 早川 正士

    * 関連:早川研究室

    1月28日:Novosti

     RUSSIA CAN PREDICT NATURAL DISASTERS
     RUSSIA'S FRIGHTENINGLY ACCURATE QUAKE FORECASTS

    1月26日:メキシコとロシア、地震検知衛星を計画 (CNEWS)

     メキシコとロシアの科学者は、地震前兆を検知するために設計されたハイテク衛星を製造する、とメキシコのAutonomous国立大学が水曜日に発表しました。
     UNAMというスペイン語のイニシャルによって知られる国立大学と、モスクワ州立大学の共同プロジェクトは、3年で完成し、宇宙へ打上げられる衛星となるだろう、とUNAMはニュースリリースで報じました。
     ニュースリリースによれば、いわゆるナノ衛星は10kgで、「起こりうる地震を検出する重要な可能性」のある「電磁気の検出を可能とする」でしょう。
     プロジェクトはUNAMのJuan Ramon de la Fuente学長と、モスクワ州立大学・原子核物理学科のMikhail Panasyuk所長との間で、水曜にモスクワで合意された、とUNAMは語った。
     リリースには、地震が起こるとラドンガスが放出され、電離層の電子密度が変化すると書かれていました。 ナノ衛星が南メキシコシティーのUNAMにある受信局にその変化を検出し、データを送ると期待されています。

    * 関連:Earthquake science research with a microsatellite (UNAM)

    1月20日:北、動物地震監視警戒所運営 (朝鮮日報)

     動物が本能的に地震の兆候を検出することを活用して、北朝鮮が動物地震監視警戒所を設置、運営していると、労働新聞が報道した。
     20日に入手した労働新聞最新号(1・16)は、 「地震と動物の動き」という記事で、「地震の兆候を動物は本能的に感じてそれに対応した挙動を示す」とし「私たちの国(北朝鮮)の地震予報システムも動物たちの地震減少警戒所がある」と伝えた。
     労働新聞は、代表的なところで、平壌大城山中央動物園を挙げて「動物園のオウム達、猛獣達、馬達など、地震監視警戒所が設置されている」と述べた。

    * 北の学者が説明 動物の地震予知力(MK)
    1月19日:第7回アジア防災センター(ADRC)国際会議(アジア防災センター)

    キルギス 駐日大使 カザノフ
     キルギスの首都(ビシュケク)の近くにリサーチセンターを設置しており、情報の発信をしている。このセンターは、非常に良い地震予知の方法を構築した。毎日、地中に電子パルスを打ち込んで、その記録を取っている。これは、30kmの深さである。ソ連の時代から行っており、1987年から行っている。1998年に大きな地震があって、これらの方法により28日前に予知できているのが分かった。地中の数値が変わっているのが分かった。20年も前に科学者は、電気抵抗を測定することにより、地震を予知することが出来る事を分かっていた。これについての資料がある。キルギス政府として、協力したいので、私達が学んだことをアジア各国と共有したいと考えている。

    * 参考:Department of Pulsed MHD Power Systems & Geophysics (Institute for High Energy Densities) | Project INTAS 99-064, EFFECTS OF MHD-GENERATED ELECTROMAGNETIC DISCHARGES ON THE SEISMIC REGIME (EM-QUAKE) ANNEX 1 ANNEX 2 ANNEX 3 (INGV)
    1月16日:JNN報道スペシャル阪神・淡路大震災から10年“今、そこにある危機”

     地震予知研究センターが主催した「日仏自然災害シンポジウム」の様子が放映される予定です。

    * 関連:阪神大震災から10年『今そこにある危機』…桶田 敦( TBSメディア総合研究所)
    1月15日:2005超巨大地震は必ず来る! 7つの警告!日本の危険地帯はココだ!(テレビ朝日)

     それ以来ロシアの宇宙飛行士達は銀色の雲を見ると宇宙センターへ報告するようになっているそうです。

    * ホンマかいな(^^?

    1月11日:Predicting Earthquakes From Space (Popular Mechanics)

     QuakeSim
    1月9日:評価する人間を評価するダブルループということ (5thstar_管理人_日記)
    文部科学省の官僚、というのは基本的に、自分自身に責任が及ぶような状況に陥ることを極度に恐れる人種なので、上の応答を読んでも今更驚かないけれど、日本の組織のこのような情けない状況というのは、さかのぼれば太平洋戦争当時の日本軍にもその特徴を見出すことができる。

    なんでもかんでもアメリカ流がいい、などというつもりは毛頭ないけれど、当時のアメリカ軍という組織にあって、日本軍にはなかった、組織文化の特徴を、日本人は戦後60年経っても全く学ぼうとしないように見える、のは、なぜだろうか?
    * 関連:本当の指導者(5号館のつぶやき)

    1月8日:地震研究のこれまでの10年 これからの10年(地震研)

     東京大学地震研究所 阪神・淡路大震災(兵庫県南部地震)10周年事業 特別公開講座
    1月7日:当世カンサイ人<創る>(3)象牙の塔は狭すぎる(日経)

     ここをよく見てて。電気を流すと、ほら」。ドライアイスの煙がたまった箱に電極をつなぎスイッチを入れると、煙が垂直に立ち上った。「これが地震雲。地震の専門家にはバカにされますがね」。大阪大学名誉教授の池谷元伺(64)はあっけらかんと笑う。

    <「関西には独創的な研究をする学者が多い」関西圏67% 関東圏57%>

     地震研究を始めたのは阪神大震災があった10年前。池谷の専門は地質の年代測定で、地震学は門外漢だ。着目するのは地震の前に発生する異様な雲やナマズが騒ぐなどの「俗説」だ。いずれも地中から出る電磁波が原因とみて、地震予知に活用できるとにらんだ。

     ナマズを持ち出しただけで学会では非科学的と冷笑されたが、池谷は悪びれない。「非常識に挑まんと新しい学問は生まれない」。日本で理解されないなら世界でと、研究結果をまとめた本は海外で出版した。全国の中学、高校を回り、地震雲の実験もしてみせる。「学生にいつも言うてるんです。『アホと言われても挑戦する精神を持て』とね」

    * Earthquakes and animals: from folk legends to science

    UJNR地震調査専門部会合同部会報告(GSJニュースレター No.4 2005.1)

     パークフィールドでは,プレート境界であるサン・アンドレアス断層の一部を震源とするM6クラスの地震が1857年以来6回繰り返し発生しており,地震前兆検出のための実験場として,地震・地殻変動等の観測が集中的に実施されていた.前回(1966),前々回(1934)の地震発生前には,地震発生域の北部において前兆現象が観測され,その部分に観測網も集中していた.しかし,今回の地震では,断層の北側からでなく南側から断層の破壊が始まったことなども関係してか,顕著な前兆現象は残念ながら観測されなかった.他方,サン・アンドレアス断層の深部掘削研究計画(SAFOD:San Andreas Fault Observatory at Depth)等で,質の高いデータが得られている.また,「地震予知」を主テーマとする発表が米国側からいくつかあり,地震予知研究に批判的であった昨今の米国地震「学界」の姿勢が変化しているように思われた.このような,「雰囲気の変化」は,(一時期「地震予知研究」に批判的であった)Natureにも報告されている(A seismic shift in thinking, Nature,431,p.1032-1034, 2004,http://www.natureasia.com/japan/digest/に和訳あり).

    * 関連:「予知」の封印を解く A seismic shift in thinking (Nature Vol.431(1032-1034)/28 October 2004)

    1月1日:1995年兵庫県南部地震から10年(尾池和夫)

     比較的規模の大きな浅い地震のときには、さまざまな目に見える自然現象を伴うが、今回の中越地震に際しても発光現象を観察したという話が多い。1965年の松代群発地震のときの発光現象を撮影した栗林亨さんのたくさんの写真を思いだす。この場合の発光現象は震源断層面の破壊が発生してから起こったものが多いと思うが、中には破壊面の発生より前の前兆現象もあるかもしれない。また、今回も電磁気現象の異常が報告されているので、そのような前兆現象があった可能性もある。以前、落雷が地震を誘発する場合があるという可能性を論文に書いたことがあるが、最近同様の研究発表が国際会議でいくつかあったという話を聞いて興味を覚えている。
     1997年の「予防時報」(190号)では「日本の地震予知研究の成果と課題」として、地震が「どこで」起こるかに関しての成果を高く評価し、「どのように」起こるかはずいぶんくわしく知ることができるようになったが、「いつ」については、大規模地震のくり返し時間間隔を平均的に把握する程度で直前予知の手法はまだできていないと述べたが、そのことも基本的には今でも同じだと思っている。また、日本は変動帯にあることから、大気圏を対象とする気象庁と同じように、動くリソスフェアを対象とする「地震・火山庁」が広報体制として必要だという主張も、今回の中越地震を見て、さらに確信することができた。

    * 1995年兵庫県南部地震から10年によせて(2005予防時報220)