【書籍】 なぜ電磁気で地震の直前予知ができるか 早川正士 【講演】 地球電磁気的方法による地震予測の現状と展望 上田誠也 宇宙飛行ミッションについての最新報告 セルゲイ・アウデエフ 【会合】 FM電波観測で捉えた地震関連異常に関する検討会 【動画】 Voices Friedemann Freund | 地震予知研究の最前線 長尾年恭 |
Pilipenko, V., Shalimov, S., Uyeda, S., M.J.A. & Tanaka, H., 2001. Possible mechanism of the over-horizontal reception of FM radio waves during earthquake preparation period, Proc. Japan Acad., 77, 125-130* 参考:森谷武男さんのページ
Abstract
いわゆる串田の方法で見出された地震前兆現象である見通し外FM放送局からの受信効果を電離層の現象ととらえて(串田らの主張)、「なぜ地球内部の現象が電離層へ及ぶのかlithosphere-atmosphere-ionosphere (LAIカップリング)」の疎過程について考えている(しかし、串田効果が電離層で起こっている現象かどうか疑わしいという観測もある)。
Source: 固体地球物理ゼミ(2003年11月27日)
Kushida, Y. and R. Kushida, On a possibility of earthquake forecast by radio observation in the VHF band, Journal of Physical Society of Japan, 19, 1998.
Abstract
紹介する論文は全く経験的に,何の理論的な裏付けなしに地震発生とFM電波伝播異常との関係を論じた.著者らはもともと天文観測の相当経験を積んだ,彗星や超新星の発見は二人とも複数個持っている. ひたすら経験による観測から地震発生との経験式を導いている.私が注目したのは地震予測の実績であり,彼らの観測結果からより本質的な物理現象は何であるかを知りたいからである.もちろん大前提は地震発生には前兆となる物理現象が存在するということである.
Source: 固体地球物理ゼミ(2002年6月27日)
こう見てくると今や地震の予知・予測情報に慣れて、ある意味で鈍感になってきていると言えるのかもしれない。あるいは地震発生の確率がしばしば出されるため、地震の場合も降水確率予報のように確率的考えに馴染んできているのかもしれない。* 関連:地震予知情報と報道 ~東海地震グレー情報を考える~ 平塚千尋(年報第44集)
マスコミが取捨選択、評価・価値付けした、いわば編集した情報を、一方では売れ行き・視聴率を念頭に入れ市場論理に従って、ある意味では社会を視聴者・消費者を見ながら流したのに対し、インターネットその他で情報が流れる現在は、溢れる情報の中で市民自ら判断し対処しなければならない時代でもある。
地震のグレー情報に対して、狼少年のように慣れてしまうのではなく、かと言ってパニックになるのでもなく、いわば不確実な情報、グレーの情報をそのまま受け入れる社会、許容する社会が生まれつつあるのかもしれない。企業のリスク管理の発想による情報対応行動もそれに一役買っていると言えよう。
「備えあれば憂いなし」、ある意味ではこうした地道で柔軟な対応が社会の中に具現化しつつあるのかもしれない。それは災害情報を仮想のバーチャルなもの、つまり阪神大震災のように災害を日常世界からの断絶、非日常世界の突然の現出としてではなく、日常世界の延長線上に、そのバリエーションとする捉え方の芽生えを意味するものだろう。
今回の南関東地震予測をめぐる情報流通と人々の対応は、地震の予知・予測に関して灰色を含めさまざまな情報が流れる現代のメディア環境の中で、新たな社会の断面を描き出したように見える。 (ひらつか ちひろ)
1つは、観測の立場から過去のデータの蓄積に基づいて予測・予知をすることが重要であると思う。世界の自然災害データを紹介する。
1995 年から99 年までの5か年間で災害発生件数は世界で約1,200 件であり、その約40%はアジア地域である。被災者の数は10 億4,000 万人であり、アジア地域は90%である。亡くなった方は、16 万6,000 人であり、アジア地域が60%以上である。災害の被害額は約50 兆円である。
災害の予知・予測ができて警戒を発令しても被害が全部無くなることはあり得ない。仮に被害額の1%を減らせるとして年間1,000 億であり、そのわずか5%ぐらい、もしくは1%でも5か年間投入すれば、かなり高度なシステムが構築でき、被害額が簡単に取り返せる。
観測衛星あるいは情報収集衛星を各省庁でも使うことになり、かつ過去のデータの蓄積とともにサイエンスを入れて予知・予測が発展すれば、更にそれに伴う通信手段、ブロードバンドの衛星も必要になり、日本国内のみならずアジアに対して国際貢献ができることを、この専門調査会で検討して提言していただきたい。
このセッションの座長のロシアの宇宙飛行士セルゲイ・アウデエフさんも、自然災害防止について発表し、地上で起こっている地震、洪水などの自然災害、人為的な災害を観測・警報する「ブルカン(火山の意味)」という名前の地球観測システムを紹介しました。またサリュート、ミールの時代からISSにいたる現在も継続されている「ウラガン(大嵐の意味)」プロジェクトについて説明し、日本を含めて地震予知に関心ある国々もユーザとして参加してほしいと伝えました。* Google検索 ["Sergei Avdeyev"+earthquake]
"Small satellites cannot be used to collect high-resolution information from the Earth's surface either, because the equipment needs to be much bulkier," he said.
Yet there are areas where small satellites and spacecraft could be employed quite effectively, he said.
One of the institute's projects, the Vulkan system, will be used to monitor the Earth, its atmosphere and the ionosphere - the outer layer of the atmosphere - to forecast natural disasters such as earthquakes, typhoons, hurricanes and tidal waves several days before they happen.
IZMIRAN is developing the Vulkan satellite systems as part of Russia's 2001-05 federal space program.
Although many seismologists see little merit in the idea, NASA and the US Air Force are together contributing about $1 million to provide data analysis and ground instrumentation to support experiments with the first satellite, the privately funded QuakeSat. Built by QuakeFinder of Palo Alto, California, the craft is now returning data from orbit after its 30 June launch. A second more expensive and ambitious satellite, funded by the CNES, France's national space agency, will follow next April.Source: Nature 424, 478 (31 July 2003)
冷却型素子ですが、製造時に感度帯域を決められるので、フィルタが不要になること、量子効率がいいことのよです。 それと、帯域がかなり自由に決められるようになっているみたいです。関連で紹介されたJPLのは、1997年に当時のを見ましたが、長い方で8μmが限界ということでしたが、 今ではもっと長くできるそうですし、カットオフもするどくできるらしいです。(熱赤外な識者のコメント)* 参考:Mid-infrared emission prior to strong earthquakes analyzed by remote sensing data (Advances in Space Research, Vol. 33, Issue 3, 2004)
2月22日(土)15:30~18:00
■基調講演 15:40~16:40
(1)「東海地震、首都圏直下地震の予知体制について」
切迫する東海地震、首都圏直下地震の予知体制はどうなっているのか?
溝上 恵(地震防災対策強化地域判定会会長/東京大学名誉教授)
(2)「地球電磁気的方法による地震早期発見の最前線」
電磁気等による地震の早期発見技術はどこまで来たのか?
上田 誠也(東海大学教授/東京大学名誉教授)
■パネル討論
パネリスト 長尾年恭 (東海大学教授=地球電磁気)
横田 崇 (気象庁地震火山部地震情報企画官)
宮本英治 (リアルタイム地震情報利用協議会)
竹田宜人 (気象予報士・東京都立大学:市民による地震の早期発見)
石黒正幸 (文化放送編成局編成部専任部長/在京ラジオ災害情報担当者会議メンバー)
コーディネータ 犬伏裕之 (電気通信大学)