地下天気図って何だ?
地下天気図の作成に使用しているのは、電磁気データではなく、地震がいつ、どこで発生したかというデータ(地震カタログデータ)です。決して気圧を地下で測定している訳ではありません。また地下天気図だけで地震発生が予測できる訳ではありません。
たとえば低気圧や前線が近づくと雨が降りますが、それでも100%雨が降る訳ではありません。地下天気図が目指しているのは「地下天気概況」とでも呼べるものです。
天気予報をするためには,「天気概況」を知る事が必要です.現在,地下がどのように変動しているのかを知る事が地震予知への第一歩です.
そこで,地下(地震)がどのような状況なのかを皆様にお知らせすることから始める事にしました.そして将来は地震発生予測につなげていきたいと考えています.
大地震の前に何がおきるのか?
昔から、大地震の前には地震活動が変化する可能性が指摘されています。特に昔から顕著な異常と考えられているのは大地震の前に通常より地震活動が低下する現象です.つまり地震が少なくなるのです。
いわば嵐の前の静けさというのが地震の前兆なのです。
これを地震活動静穏化と言います
今回提示する方法は、地震活動の微細な変化を効率的に抽出する方法です。地下天気図は地震活動を天気図の低気圧,高気圧になぞらえて視覚的に表現したものです。
低気圧とは相対的に地震活動が低下(静穏化)している事(図上では青色で示されます)を意味します。高気圧とは相対的に地震活動が活発化している事(図上では赤色で示されます)を意味します。
したの地下天気図は、2015年4月30日時点のもので、日本海中部に大きな静穏化領域が広がっています。東北地方陸域の赤い領域は東日本大震災の影響により内陸の地震が増えた地域です。