17年間の観測研究成果-地震前兆観測研究報告資料New 2012.9.18 B改定 [白黒版] |
避けられぬ大地震~明日を生き抜く為に~ 前半(地震を予知する)(奇跡体験!アンビリーバボー, 2003.10.23)
2003年9月南関東地震予報の学際的評価(初版)(早川由紀夫)
馬耳東風(日本獣医学会)
Astronomer Predicts Major Earthquake for Japan (space.com)
電磁気観測で挑む地震予知(ガリレオチャンネル)
マスメディア等で報道された民間研究者の地震予知情報と市民の防災準備行動について(災害情報)
今後の地震予知研究の発展を考えるならば、関係機関からの報告や現在のプロジェクト研究から洩れている重要な研究についても目配せが必要である。例えば、この予知研究事業に参加していない機関においても重要な成果が出ているものなどがあれば、今後の計画に反映させるかどうか検討すべきではないか。具体的な例としては、大きな地震が発生する前の地震活動への潮汐応答の変化である。2004年のスマトラ沖巨大地震は予測出来ていなかったが、防災科学研究所の田中佐千子さんが後から調べたところ、地震発生前から顕著なデータが確認されていた。また、八ヶ岳天文台の串田氏によるFM電波観測に基づく地震予知は当たったのかどうか、関係資料に基づき気象庁の近藤さやさんが調べている。これらのことは、予知関係者の誰かがやるべきだったのではないか。そのような事案についても検討し、総括的なところかその他として評価してもらいたい。
○萩生田委員 JAXAや文部科学省を中心に行ってきた宇宙研究を、他の省庁にもまたがるものが幾つもあって、総括的に司令塔的な役割を果たす意味での本部を設置する、そのことは私はいいことだと思います。
他方、例えば海洋基本法などが成立をしましたけれども、研究というのは、さまざまな分野で専門性を高めていく必要があるんですが、時にその枠を超えて、新たな発見ですとか新たな共同研究というものが必要になってくるんだと思いますね。今までは、ばらけていたがゆえに使いにくかったというマイナスの面もあったと同時に、一つの省庁じゃなかったがゆえにさまざまな切り口から宇宙の有効性というものを探求し続けてきたという利点もきっとあったんだと思うんですよ。ですから、その辺が、統合したことによって、あるいは司令塔を一つ構えたことによって、何か塀が高くなってしまって狭い範囲での宇宙開発、研究になることのないように注意をしていただきたいなと私は思っております。
余談なんですけれども、私の地元に串田嘉男さんという方が出身者でいらっしゃいまして、今、山梨県の八ヶ岳で子供たちに天文台を開放して星の勉強会みたいなことをやっているんですね。その方は別に、別にと言ったら怒られるかもしれませんけれども、日本を代表する宇宙科学者なわけではないんですが、子供のときからとにかく星が好きで、その趣味が高じて、今奥さんと二人で八ヶ岳にこもって自前の天文台をつくって、そして多分、この連休中にも多くの子供たちが親子連れでそこに泊まりがけで行って、初めて自分の目で星の輝きを見て大変な感激をしたんだと思います。
私はたまたまその方と古いおつき合いがあるもので、実は、その方は、星のことが大好きなだけで、ただ好きなだけでは人間は食べていけませんから、基本的な研究として流れ星の観測というのを委託事業で、当時の科学技術庁だったんでしょうか、あるいはさまざまな、もしかすると気象庁なんかからも委託を受けていたのかもしれません。本来、流れ星というのは目でカウントできるものもあれば目で見えないものもあって、どうやってカウントするかというと、古典的な手法として非常にシンプルなやり方で、FMの電波の基地点を二つつないで、そこで、本来だったら届くはずのないFM電波がある一瞬届く。それはなぜかというと、流れ星に反射をして、届くわけのない場所まで届くという観測方法が昔からあって、これを奥様と二人で、ある意味では生活のために、受託をしてずっとやってきたんですね。
そうしましたら、御本人は全く興味がなかったので、きっと地震予知というのはこうやってやるんだなというふうに思っていたんですけれども、ある日から、数日後ある地域で一定規模の地震が発生するという周期を発見したんです。
その方は、別にそのことを世間に知らせるまでもなく、自分たちで、今度はあの地域でこのくらいの規模になる、大変だねと。奥尻島も事前にある程度わかってしまったし、あるいは兵庫の地震につきましてもその直前から大きな数字を確認して、そして地震予知というのはこうやってきっとやっているんだなと自分で勝手に思い込んでいたら、あの悲惨な、淡路も含めてですけれども、あの阪神大震災を目の当たりにして、なぜ政府はもう少し早目に地震の予知を公表できないのかということに憤りを感じて、初めてその研究成果を世に出したんですね。
そうしたら、地震予知の研究者にしてみれば、要するに、自分たちは地べたの下をずっと見ていて、専門的な、各大学を代表される教授陣がチームを組んで研究していて、失礼ながらただの一度も予知をしたことがないのに、空を見ていた人にそんなことわかるわけないだろうということで、意見の食い違いがございました。
実はこの後、非常に悩ましいんですけれども、当時の科学技術庁は、その天文台を委託研究施設として一定の金額をお支払いして、研究成果を外に出さないということをいまだにやっております。
私は、これはKT法という特許を取って既に実用段階に来ているんだと思いますけれども、要は、畑違いの人たちが見つけたことは認めぬという日本の学術的な塀を越えていくことが宇宙開発にとって非常に大事なことだというふうに思っております。これからさまざまな分野で、もしかしたら、海の研究をしている人たちから宇宙についての新たな発見や情報があるかもしれない。地質の研究をしている人たちから宇宙についてのさまざまな提案があるかもしれない。あるいは、宇宙の専門家の皆さんからさまざまな環境についての提案があるかもしれない。こういったものを日本は国家戦略としてきちんと幅広にまとめて、国民の皆さんのために還元をしていくことが今回の基本法を制定する上で非常に大事だというふうに私は思っておりまして、ぜひその精神、理念を忘れずにこの法律が実用されることを高く期待したいというふうに思います。
* 関連:1997年02月 vol.21「KT法(電離層モニター観測)による地震予知の活用について質問」(はぎうだ光一)
天気予報のように、「○日ごろ○○地方に震度▽クラスの地震が起こるでしょう」といった地震予報を想像してみる
▼いつも地震は突然だから、せめてと願望もある。驚くことにそれに挑む人がいる。八ケ岳南麓天文台長・串田嘉男さんだ。多くの彗星や小惑星などを発見した天文家としても知られている。机上の理論でなく実際の観測データを蓄積。経験則で地震予測をしている
▼93年、FM電波による流星観測中に、流星による反応と異なる波長を発見。直後に地震が発生。何度も同様経験をする。95年1月には異常波長観察の数日後に阪神大震災が起きた。地震の前段階で地中力学により電気が発生。その電位的変化が上空の電離層に投影。それをFM受信機がとらえ、特有の波長を描く
▼観測結果をそう推論。前兆の早期把握ができることを確信。国内各地に受信機と記録装置を配置。発生時期や規模、場所の特定を試みている。当初はサイトに詳報したが、パニック連鎖などを恐れ05年に閉鎖。今は一部関係者だけに伝えている
▼的中確率は90%を超え今回の岩手北部地震も5月28日に前兆を検知。「7月23日プラスマイナス1日」と想定していた(先夜民放テレビで紹介)。でも串田さんは慎重。的中精度をより高め、社会の危機管理力も見極めて、予報を公開したいという。恐怖を和らげ防災や被害軽減に役立つことが悲願だ
▼電磁気学的地震予測学の確立も願う。やがて「地震予報」は具体化の日がくるかもしれない。