Earthquake precursors (Rikitake, 1975) 地震の予知(電氣學會雜誌, 1976) 予知問題委員会は, 世間を騒がせたこれらの地震説にたいして, ことごとくそれを沈静化させる役割を努めることになり, 地震予知取消委員会というあだ名がつげられるはめになった。 これは地震予知のありかたと情報の取り扱いかたに多くの問題のあることを示す事件であった。予知間題委員会は昭和24年学術研究会議の廃止に伴って廃止されてしまった。The 78th Diet: Disaster countermeasure special committee No. 5 (1976) ○上條勝久君 私どももあらゆる機会をつかまえて、日本の国土の立地条件なり、あるいは都市構造、そうして重要構造物の構造というような点から、一たん地震が起こりますると、御指摘のとおり大変な問題になる。しかしどうも日本人というのは、事が起こりますると、いろいろうろたえて対策に走り回る癖がありまして、事前に研究するとか、対策を講じていくということが、政治の面におきましても、行政の面においても非常に欠けておるということを指摘してまいっておるのでございます。
いままでの御発言と重複を避けますが、三先生方からいろいろ伺いました結果から感じますことは、私の手元にあるこの関係研究機関の項目にいたしましても、研究機関にいたしましても、項目だけでも十六以上ある。それから研究の機関も各大学でもそれぞれやっていらっしゃるし、あるいは役所関係では、国土地理院、気象庁、防災センター、地質調査所、水路部、東京都、静岡などでもやっておられるようでありますが、きわめて多岐にわたるわけで、このことが、ただいま松永委員からも御発言がありましたように、地震の予知あるいは対策ということがいかに重要であり、かつまたむずかしい問題であるかということが言えると思うわけでございます。この地震予知について、あるいは地震対策については、きょうもマスコミの方々がずいぶんおいでになっているようでありますが、これに立証されるように、国民の関心も非常に大きい。したがっていまの御意見のように、私ども政治の場においても、あるいは政府の立場からも、これは先生方のせっかく御研究をいただいておることを、なるたけ一本にまとめるような形をお骨折りをいただきまして、そうしてこれを踏まえて今後対処していかなければならぬ非常に政治の一番重大な問題じゃないかと、かように認識をいたしております。
そこで、いまもお話がありましたが、これらの地震予知というようなものは、やはり一つの役所でやるとか、あるいは一つの研究機関にこれをまとめて結論を出す、導いていくということは事実上非常に困難であろう、どうしてもやっぱり持ち場持ち場で御研究をいただいて、その成果をどこかでまとめていただく、そうしてそれを政治なり行政に移していくということが大事であろうと思うわけでありますが、ここで最近新聞紙上等でも非常に取り上げられておる問題でありますが、民間の皆さん方あるいは各県等におきましても、お話の点以外に自然現象――これは地殻の変動も自然現象でありまするが、しかしまあたとえば井戸水の問題であるとか、あるいは動物の現象あるいは地光り、地鳴りといったようなそういう問題これは中国方式とも言われておるわけでありますけれども、こういう問題もやはり一方においては非常に高度な学問的な、科学的な研究にお取り組みをいただく、一方においてはそういう問題についても、やっぱりこれはおろそかにしてはいかぬのじゃないかという考えを持つわけでありますが、その点につきまして一言ずつ、その必要はあるかないかということについて先生方から承りとう存じます。
○参考人(萩原尊礼君) 中国におきましては、大衆の参加によって井戸水それから動物の挙動の異常、そういうものの調査を徹底的に行って地震予知のお役に立てておりますが、この井戸水の変化、動物の異常、これは日本でもそういうことがあったということは古文書にもいっぱい残っておりまして、大変重要なことだと思っております。ただし、こういう井戸水にしても、動物にしても、地震が起こらなくても変なことがいっぱい起こることもあるわけでございまして、ただ一カ所や二カ所の井戸がどうだ、ある一カ所である動物が変なことをやったといってもそれだけでは意味がないんで、やはり非常にたくさんの数でのところからいろんな情報が一カ所に集まってと――これはそれだけで地震予知ができるとは思いませんし、また中国でもそうは思ってはおらないと思いますが、いろんな器械観測のいろんな補助、特に短期予報の場合に、最後の非常な大きな参考になると思っております。
○参考人(力武常次君) 中国の昨年の遼東半島の地震のときにヘビが出てきたというような話がございます。あのときには非常に小さな地震が起こり出しまして、もう何十年も地震がないようなところにいきなりそういう地震が起こり出しまして、だんだん数もふえ、大きさも大きくなるというような状態だったようでございます。そうしますとヘビでも驚くのが自然ではないかというふうに私は思います。で、ただし東京のようなところですと、ダンプカーやなんかで年じゅうがんがんやられているようなヘビは案外驚かないんではないかと思います。そのようなことで非常に参考にはなりますけれども、それだけに頼るということは当然できないことだろうと思います。
いまの事象地震でございますけれども、私は魚でも、動物でも、ヘビでも、それを刺激する物理的な徴候をつかまえるというのが、多額のお金をいただいてやっております地震予知計画であるというふうに思っております。ただし質の悪い情報であっても、一つ一つは質が悪くても、それの数をものすごくふやせば、たとえが関東一円の井戸をはかるというようなことをやれば、その結果は質が高まりまして有意義である場合があると思います。ですから、そういうことに興味を持ってくださる一般のボランティアの方々がいれば是非やっていただきたい。そしてそういう活動を通じまして地震現象に対する一般国民の認識というものが高まって、非常の際に犠牲を少なくすることができるというふうに判断しておりますので、われわれ科学的な立場からといいますか、この地震予知、国家の計画という立場から携わっている者も、そういう話には謙虚に聞かなければいけないというふうに思っております。Animal behaviour and earthquake prediction (Logan, 1977) The 84th Diet: Science and Technology Promotion Measures Special Committee No. 4 (1978) Classification of earthquake prediction information for practical use (Rikitake, 1978) Biosystem behaviour as an earthquake precursor (Rikitake, 1978) Animals and Earthquakes(1) (Geology News, 1978) Anomalous Animal Behaviour Preceding the 1978 Near-Izuoshima Island Earthquake (Rikitake, 1978) Anomalous Animal Behaviour Preceding The 1978 Miyagi-ken Oki Earthquake (Rikitake, 1979)
Current Status of Earthquake Prediction in China (1979)
International Symposium on Earthquake Prediction | Programme | Review paper theme III | VI | IV | VII(UNESCO, 1979) Recommendation 864: 5. Noting that combined satellite and ground-based prediction techniques have a definite potential for saving lives in earthquake-prone countries ;Precursors to the Haicheng and Tangshan Earthquakes (Cheng, 1981)
Precursors to the Ansei Tokai Earthquake (1983) Precursors to the Tonankai Earthquake (1983) Earthquake Prediction and "Fire Ball" (Rikitake, 1986) Practical Earthquake Prediction based on Empirical Rules of Precursory Phenomena (1) | Practical Earthquake Prediction based on Empirical Rules of Precursory Phenomena (2) (Rikitake, 1987) Precursors to the Nobi Earthquake (Rikitake, 1989) 宏観異常現象について (力武, 1996)
地震が起る前に、動物が異常な行動をとることが以前から報告されている。中国では動物を使った予知に力を入れているが、この方法が他の前駆現象、たとえばP波/S波の速度比、電気抵抗、ラドン含量、電磁場、静電場などの変化と同じように予知の有効な手段となるかどうか検討するため、1976年10月23~24日に米国カリフォルニア州Menlo Parkで、米国地質調査所(US Geological Survey)主催の動物行動と地震予知に関する会議が開かれた。Source: 動物行動と地震予知(日本ゴム協会誌, 1977)
席上、様々な観察例が報告されたが、対象となる動物はウシ、チンパンジ、ヘビをはじめ広範囲にわたり、異常行動と自然界の物理的、化学的変化とがどのような関連をもつのか、討論された。また、何が異常な行動かと認定するのもむずかしい問題であることが指摘された。
新しい断層に沿って生じる岩石破壊によって、地震エネルギーが解放されるが、その時、全てに同じような前駆現象を伴うわけではないし、動物に動揺を起させる刺激が全ての地震に必ず存在するわけでもない。いろいろと考えられる刺激要因のうち、気圧、重力、海抜、傾斜の変化は可能性がない。
米国地質調査所のD. Hillは、地震発生に伴う音が、その中心から数100ft以内の範囲にいる動物に刺激を与えるかもしれないと指摘した。地電流の変化は数ガンマだけで、動きまわっておれば数10万ガンマの変化を経験する動物に影響するとは考えられない。地表近くの地下水位の変化も冬眠中のヘビが穴からはい出す説明にはなるかもしれないが、不安行動の決定的要因とはなりえない。静電場の変化やラドンの放出との関係はまだよく調べられていない。
結論として、動物行動を利用した地震予知に次の二つの方法があることが指摘された。
1)異常行動を起すメカニズムが解明できなくても、地震の前の行動の変化パターンが認識できれば、それを利用する方法。
2)動物の生理的刺激を分析し、その物理的シグナルを直接検知する方法。
LOGAN J M
D193B Nature 265 [5593] 404ー405 (Feb. 3, '77)
〔日本科学技術情報センター発行「海外技術ハイライト」より転載許可第文-12号〕
1975年の中国・海城地震では、動物の異常行動を元にして発せられた緊急避難命令により、海城市に暮らす大部分の人々が奇跡的に被災を免れることができました。この地震予知成功を重要ととらえたアメリカでは、同時期に国内において地震に関する研究報告を行っています。Source: 犬の地震予知能力
内容はカリフォルニアの地震多発地域に暮らすボランティア1,200名を募り、動物の異常行動が観察されたら直ちにホットラインで研究所に知らせる、というものでした。この調査は1979~81年に渡って行われましたが、結局研究調査を行ったUnited States Geological Survey(USGS=アメリカ地質調査団)は「動物の異常行動と地震との間には、再現可能な関係性はない」との結論に達しています。同機関に所属する地質物理学者のアンディ・マイケル(Andy Michael)氏は動物は空腹、縄張りの主張、繁殖衝動、外敵に対する反応など様々なものに反応するため、地震のみに対する反応を再現性を持って観察することは困難とし、動物のみを用いた地震予報システムの構築は難しいだろうとしています。
以来、アメリカ国内において動物の異常行動に関する公的な研究はなされていませんが、引退した地質学者であるジム・バークランド(Jim Berkland)氏は、新聞に掲載される迷子犬・迷子猫の数で地震を予測するという極めてユニークな方法で地震予知にアプローチしています。様々な反論はあるものの、この手法を用いて1989年のカリフォルニア大地震を予言したと公言しています。
Source: 動物は地震を予知するか―異常行動が教えるもの(力武常次, 1978)
アメリカのスタンフォード大学には、スタンフォード戸外霊長類施設(Stanford Outdoor Primate Facility 略称SOPF)とよばれる付属施設がある。この施設が元来、チンバンジーの成長およびホルモン変化に伴って、その挙動がどう変化するかを観察するためにつくられたもので、物ごとを週単位で観察することになっているので、地震の問題のように、日または時間単位で判断するためには、必ずしもじゅうぶんではない。また、チンパンジーの発声に関する観察はまったくとりあげられていない。
しかしながら、SOPFにおける観察によって、地震発生に先行するチンパンジーの異常行動が確認され、1976年メンロ・パークで行われたシンポジウムに報告されている。SOPFは、各1.5エーカーの面積をもつ二つの四分円を合わせた半円形をしていて、各四分円にはそれぞれ二匹の幼児、および青年または成熟した六匹のチンパンジーが収容されている。(中略)
SOPFはサン・アンドレアス断層から、約三キロメートル離れた場所に設けられている。1975年、5月1日から7月31日にSOPFの南西約5キロメートルの地点に群発地震活動が発生し、そのマグニチュードは0.9~3.1で、深さは8~10キロメートルであった。これらの地震の大部分は、6月19~24日の期間に起こった。
図11には、チンパンジーが区画1と11で過ごした時間を全体の時間のパーセンテージで示し、その毎日の値が示されている。6月18日には、チンパンジーが区画1にいる時間がいちじるしく増え、区画11にいるパーセンテージはいちじるしく減少した。チンパンジーのうろちょろする程度を数値化した「不安度」は当然急昇している。そして翌19日には、図にみるように群発地震活動がいちじるしく増加した。程度は少し落ちるが、25日の前日にも同様な傾向が見られた。このような結果を額面通り受け取るならば、チンパンジーは地震発生を一日前にキャッチして、不安げな行動をしたことになる。
この話には、さらにおちがついていて、地震の前日に、チンパンジー観測回数がきわめて減ってしまったことが指摘されている。この項のはじめにも述べたように、この観察の本来の目的を達成するためには、土曜および日曜がお休みということはほとんど差支えないのだが、地震群発の前日いちじるしく観察がさぼられたということは、地震に先行する何物かによって、人間も影響を受けたのかもしれないというわけである。(な、なんだってー!)
Chimpanzees: ’Quake Predictors? Desert Sun, 3 November 1976 The scientists reported their finding at a recent meeting sponsored by the U.S. Geological Survey in Menlo Park, They are Dr, Helena C. Kraemer, associate professor of biostatistics in the Department of Psychiatry and Behavioral Sciences; Bruce Smith, a geophysicist with the geological survey; and Dr. Seymour Levine, professor of psychiatry and director of the primate facility. According to Dr. Kraemer, interest in the project was triggered by recent Chinese reports of animal behavior changes preceding a major earthquake by as much as two months. “While our evidence is not yet sufficient to conclude that animal behavior will predict earthquakes,” she said, “It suggests a model for researching the question.” Popular reports of unusual behavior prior to an earthquake have been numerous, Dr. Kraemer noted. But they have been accorded little credence because of their anectodal and retrospective nature. “Animal behaviors can be monitored and reliably measured,” the researchers said. "We believe we have the first scientific evidence there are behavior changes that precede earthquakes.” Dr. Kraemer said animal studies would be particularly valuable for short-term and location forecasting. “But to prove it conclusively, we will have to predict the next earthquake,” she added. The primate facility is a unique research station housing chimpanzees born and raised in the wild. Opened in 1974, the center has been used by researchers and students to observe social behavior and hormonal changes among chimpanzees in a natural setting. In locating the facility near the fault, Dr. Kraemer commented, Stanford officials had inadvertently built an ideal model for studying the relationship of animal behaviors to earthquakes. She explained that prior to a single swarm of minor earthquakes last June, observers at the facility had recorded “intriguing behavioral changes” among the chimpanzees. “The animals were more restless than usual,” she said. “They spent more time on the ground than high on their climbing structures and nesting areas. Their be-havior change was so significant it seems unlikely it was due to chance.” Dr. Kraemer emphasized that at the time the animal behaviors were recorded, the observers were doing unrelated research, and they were unaware that any tremors had occurred. Acting on a suggestion by geophysicist Bruce Smith of the U.S. Geological Survey, Drs. Kraemer and Levine analyzed the course of chimpanzees' behavior before and after 25 minor earthquakes had occurred in the vicinity between June 19 and 24. The Stanford researchers found that the animal behaviors changed on the day prior to two of the largest earthquakes in this period. One took place June 19 and registered 3.1 on the Richter scale. The other earthquake occurred June 24 and measured 2.0. In each instance, the signs of restlessness and change in location by the chimpanzees had occurred the day before, said Dr. Kraemer. Their behavioral change was less pronounced in the in-between period during which the area was experiencing tremors of lesser intensity. The researchers said they are not yet ready to say that the behavioral changes were unequivocally due to the impending seismic activity alone. There may be other factors.Can Californian chimps predict earthquakes? New Scientist - 1976/11/04 ANIMALS ARE TESTED ON QUAKE FORECASTS APRIL 14, 1977 Last October, a group of seismologists, geologists and biologists met under Geological Survey sponsorship at the Center for Earthquake Research at Manlo Park, Calif., to discuss the subject of abnormal animal behavior before earthquakes. A 429‐page report on the conference has_ just been released by the Geological Survey.
The report, consisting of papers by 35 authors, was compiled by r. Jack F. Evernden, a geophysicist at D the earthquake research center. He noted that several possibilities that might explain quake‐sensing abilities in animals were explored by the conference members.
CAN ANIMALS PREDICT EARTHQUAKES? A SEARCH FOR CORRELATIONS BETWEEN CHANGES IN ACTIVITY PATTERNS OF TWO FOSSORIAL RODENTS AND SUBSEQUENT SEISMIC EVENTSEarthquakes and Animals - From Folk Legends to Electromagnetic Seismology Review: Can Animals Predict Earthquakes? Animals & Earthquake Prediction
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