これは100回実験した時の地震発生数、day 0にパルス電流を送ると、2日後位に地震が急に増えるという結果です。つまり、地震は time of no return の状態で何かがきっかけとなって起きる、きっかけは電磁的なものか、低気圧とか潮汐とかかも知れない。ですから、地震予知には地殻が critical な状態にあるかどうかの判断が重要で、それには Natural Time という概念が非常に有効でしょう。また電磁現象は勿論、地下天気図から地震制御に通ずる“Active Monitoring”まで、「萌芽研究」と言いましょうか、可能なら特許取得も含めてやっていきたいと考えています。 科学的な予知と実用的な予知にはまだ大きなギャップがあるのですが、監視技術が進歩してさっきの地下天気図などもできています。また、公式には「東海地震だけは予知できるかも知れない、他は不可能」と言っていますが、本当は東海地震が特別ではなく、それだけは気象庁が24時間モニターしているが、他はそれをやっていないのです。そして勿論一つの手法だけに頼ってはいけない、地震学的方法と電磁気学的方法等の合せ技が大事なのですが、今の体制はそうなっていません。
最後に、都知事達と話すと地震予知は要するに経済問題、非常に大きな経済的影響を与える可能性があります。中国で予知が成功したのは失敗しでも誰も訴えないという事情があったというわけで、予知の実用化には社会的なコンセンサスが必要という事で私の話を終わります。