ナマズと地震との関係  

 

 犬やカラスやミミズなど、様々な動物の異常行動が世界各国で報告されている中で、日本では「地中の巨大ナマズが怒れば地面が揺れる」、古くからナマズと地震との関係には因縁ようなものがあります。鯰と地震の俗信が生まれたのは江戸時代の初期頃、人口の多い江戸で地震の被害が大きくなるとともに、ナマズの不思議な行動と地震との関係に関する言い伝えが生まれたようです。 江戸時代末期には世間一般に信じられていたようで、現在でもその伝説に基づく民話が残されています。

 

 とくに、安政2年(1855年)の安政江戸地震の直後には、鯰をモチーフにした錦絵が出まわりました。これは鯰絵(東京大学地震研究所図書室所蔵と呼ばれ、鹿島大明神が「要(かなめ)石」で大ナマズを押さえている絵などがあります。 鹿島の神が、大地に要石を打ちつけて、大鯰または大蛇の首を押さえこんでおり、鹿島の神が時折留守をしたり、気をゆるませたりすると、大地震になるという言い伝えが、鹿島の要石と鯰の関係で表現されるなどしています。 茨城県鹿島神宮には今でも、「要石」という石があり、鯰の民芸品が観光用に売られているようです。



  安政江戸地震の状況を書いた安政見聞誌には次のような記事が書かれています。 「本所永倉町に篠崎某という人がいる。魚を取ることが好きで、毎晩川へ出かけていた。二日(地震当日)の夜も数珠子という仕掛けでウナギを取ろうとしたが、鯰がひどく騒いでいるためにウナギは逃げてしまって一つも取れぬ。しばらくして鯰を三匹釣り上げた。さて、今夜はなぜこんなに鯰があばれるかしら、鯰の騒ぐ時は地震があると聞いている。万一大地震があったら大変だと、急いで帰宅して家財を庭に持ち出したので、これを見た妻は変な事をなさると言って笑ったが、果たして大地震があって、家は損じたが家財は無事だった。隣家の人も漁が好きで、その晩も川に出掛けて鯰のあばれるのを見たが、気にもとめず釣りを続けている間に大地震が起こり、驚いて家に帰って見ると、家も土蔵もつぶれ、家財も全部砕けていたという。」 安政江戸地震の3〜4時間前に地震を予知した話です。

 さて、地震と鯰の関係、一体どんな関係があるのでしょうか?? 

 

[もっと詳しく知りたい]

 

[全文]

 


[Home]